心の声【her view】4 ページ31
つい最近、待機所で告白されている所をそうやって助けてくれたことはあった。
でも……それは偶々居合わせたからで、カカシがそんな風に余所で言うメリットなんて何一つだってない筈なのに。
「どういう……つもり?」
「だーからぁ!!カカシ先生は絶対絶対、ぜーーったいにA先生が好きなんですってば!!」
「いや、それは無いよ。」
「いいえ絶対そう!だからカカシ先生、わざとA先生に嫌いって思わせてるんじゃないかしら?」
「え?」
「理由はよく解らないけど、自分の本当の気持ちをA先生にまだ知られたくない……とか?」
「本当の……気持ち?」
「うん、きっとそうよ!!例えば、A先生が自分の気持ちに向き合えるまで待ってるとか!」
「やだカカシ先生っ!意外と紳士的!」なんて一人で盛り上がって、両手で頬を抑え身体をくねらせるいのちゃんをぼんやりと眺めつつ、紅の言葉が再び響く。
『Aがカカシを好きで、カカシはAが好き。』
「……わっ、私そろそろ行かなきゃ!いのちゃんお花包んでくれてありがと!これ、お金。お釣りはいらないから!!じゃあね!」
「あっ?!えっ?!ちょっとA先生?!……顔……真っ赤……これって……脈あり?!」
子どもっぽく笑いながら言ったいのちゃんの声を背に受けながら、作って貰った花束を手に足早に店を後にした。
墓石の並ぶ墓場まで移動して、リンの墓の前で花を手にしたまましゃがみ込んで顔を隠す。
「リン……。カカシを好きなのはリンの筈でしょ?私じゃない。」
なのに、どうしてこんなに顔が熱くなるの?
胸が苦しくなるの?
「カカシは私の事好きなんかんじゃ……ないでしょ?だって昔から喧嘩ばっかりしてるし、そりゃぁ任務とかはやりやすいよ?お互い動きも把握してる……仲間として信頼もしてる。」
呟き続ける纏まらない思考の奥でカカシの顔がチラつく
「一緒に居るのは嫌じゃない……嫌いって言われるのは傷つく。だって大事な仲間だから!だからキスも別に……嫌じゃ……なかったよ。」
あの日のカカシとのキスの意味が知りたいのは、嫌だったからじゃない
どういう気持ちで
その行為に至ったのか
カカシの本心が知りたいから
「でも……安心してリン。私は……私はカカシを好きになんか……ならないから。」
小さく落としたそんな言葉が心にまた見えない棘を刺した
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テン(プロフ) - かなさん» かなさんコメントありがとうございます(*^^*)そう言って頂けてとても嬉しいです!亀更新で申し訳ないですが、これからも楽しんで貰えれば幸いです♪ (2022年4月29日 2時) (レス) id: c0a1965786 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - とても面白いです!応援しています(^^*) (2022年4月16日 5時) (レス) id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - sayyさん» sayyさんコメントありがとうございます。亀更新で申し訳ありません^^;とても励みになりました!続きは気長にお待ち頂ければありがたいです(*^^*) (2021年9月27日 21時) (レス) id: 7837fbad55 (このIDを非表示/違反報告)
sayy - カカシが可愛い!応援してます!頑張ってください! (2021年9月23日 21時) (レス) @page37 id: 694cb4f9d7 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - キーさんさん» キーさんコメントありがとうございます。確かに最近ナルト作品少ないですよね(^^;ナルト君達も出していけるように頑張りますね♪応援ありがとうございます(*^^*)とっても嬉しいです。 (2021年2月14日 12時) (レス) id: 3d6ac160d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2021年2月6日 22時