譲れないから【his view】2 ページ15
「あのさー……悪いんだけど」
言いながら立ち上がってゆっくり二人に近付き、困惑しているAをぐいっと自分の方に引き寄せて男から引き剥がした。
驚くAに少しだけ視線を向けてから、その顔を隠すようにそのまま俺の腕の中に閉じ込める。
「こいつ、俺のだから。手、出さないでくれる？」
「えっ……えっ！？はたけ上忍……の！？そ、そうなんですか！！し、失礼しまっ……失礼しましたー！！」
ちょっと睨んだだけなのに、そこそこの顔を青くして逃げ去る男に溜め息が漏れる。
Aに迫るくらいだからもーちょっと粘るかと思ったのに。
なんだ……意気地無しのダメ男じゃん。
そんなヤツにAを任せられるわけない。
いや、誰に任せるかなんて……どーでもいいんだけどね？
って、俺は誰に何の言い訳してんのよ
Aを腕の中に閉じ込めたままそんな風にぐるぐる思考を巡らせていれば、胸板をぐいっと押して俺から離れたAが頬を膨らませた。
「ちょっとカカシ！！何っ？！今のっ！あの人絶対、勘違いしちゃったじゃない！！」
「そうね。そうさせる為にした行動なんだけど？」
ってかそこ普通は……怒るとこじゃないんじゃないの？
そう思えば再び溜め息も漏れた。
「だいたい……助けてもらったら、ありがとうでしょ？」
「たっ？！助けるにしても……もっと他にやり方あるよねっ？！」
「いーや、ナイナイ。あぁいうのは、結構しつこいよ？だからこれが一番効くの。ああ、それともAにしては珍しい事だからまだ言い寄られてたかったの？」
意地が悪いのは分かってる
それでも笑ってそう言ってやれば、Aは言葉に詰まってぐぬぬと謎の言葉を呟きながら拳を握って見せた。
そーんなに俺じゃ不満だったわけ？
これでも結構モテるのに。
ま、A以外にだけど
それと……Aは気付いてないけど、Aもかなりモテる。
ただし、傍に居る俺に睨まれて声を掛ける勇気もない奴等に。
そう考えれば、今の奴はまあ……勇気あった方だね。
「……りがと。」
「ん？」
「だからっ！！ありがとっ！！」
「ハハッ……どーいたしまして。」
あまりに悔しそうに言うから、可笑しくてつい笑ってしまった。
そんな俺の顔をAは驚いて眺めていたけど、直ぐにそっぽを向いてその場を離れていった。
その顔が少し赤かったのは気のせいだと思っておこう。
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テン(プロフ) - かなさん» かなさんコメントありがとうございます(*^^*)そう言って頂けてとても嬉しいです！亀更新で申し訳ないですが、これからも楽しんで貰えれば幸いです♪ (2022年4月29日 2時) (
レス) id: c0a1965786 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - とても面白いです！応援しています(^^*) (2022年4月16日 5時) (レス) id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - sayyさん» sayyさんコメントありがとうございます。亀更新で申し訳ありません＾＾；とても励みになりました！続きは気長にお待ち頂ければありがたいです(*^^*) (2021年9月27日 21時) (レス) id: 7837fbad55 (このIDを非表示/違反報告)
sayy - カカシが可愛い!応援してます!頑張ってください! (2021年9月23日 21時) (レス) @page37 id: 694cb4f9d7 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - キーさんさん» キーさんコメントありがとうございます。確かに最近ナルト作品少ないですよね(^^;ナルト君達も出していけるように頑張りますね♪応援ありがとうございます(*^^*)とっても嬉しいです。 (2021年2月14日 12時) (レス) id: 3d6ac160d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テン | 作成日時：2021年2月6日 22時
