同期のアイツ【her view】6 ページ12
「……身体、起こしてて大丈夫なの?」
「A……俺は……」
何て顔をするんだこの人
カカシをこのままにしたらダメだ
頭のなかで警鐘が鳴る
リンの遺体が頭の隅から離れない
入り雑じる雑念を振り払うために固く目を閉じて深い呼吸をしてから目についた椅子を取って、カカシの病床の横に置いた。
「カカシ、最初から全部話して。いい?全部だよ?……全部話さなきゃ、私は……カカシを恨む。」
「全部……話したとしても、Aは恨むよきっと。だってリンを殺したのは……俺なんだから。」
俯いてシーツを握り締めるカカシに溜め息を吐いて、折角腰を下ろした椅子からゆるりと立ち上がると、カカシの後頭部を思い切り叩いた。
そういえばこんな事するのも久しぶりだ。
そんなやり取りをする間もないぐらい私達同期は皆死地に駆り出されていたから。
スパーン!と結構いい音が鳴ったけど、カカシは俯いたまま何も言わない。
「そんなの見れば解る!!嘗めないで!あれはどう見ても雷切の痕だった。カカシ、そうじゃない!!私が聞きたいのは、何があったかなの……ちゃんと、全部教えて!リンに何があったの?」
胸倉を掴んで顔がくっつきそうな距離で無理矢理視線を合わせれば、オビトの写輪眼は驚いていて、カカシの目にほんの少し生気が見えた。
それからポツリポツリ話し出したカカシの話は壮絶で、途中で耳を塞いでしまいたくなるのを必死で耐えた。
「これで……全部話した。」
「本当に?」
「本当に。」
「……分かった。カカシ……ちょっとその手……貸して。」
リンを貫いた手
里を守った手
暗くなった病室で
強く硬く握り締めて額に当てて目を閉じた
「リン……最高にカッコいいじゃない……約束するよリン……オビト。あんた達の大事なチームメイトは……私が守る。絶対、死なせない。死なせないよ……カカシ。」
零れる涙はそのままで、それでも無理矢理作った笑顔で視線をカカシに向けて片方の手をカカシの手から離して、赤い瞳に当てて決意した。
はたけカカシは私が守る
その日私はそう誓いを立てた
同期のアイツ【her view】7→←同期のアイツ【her view】5
347人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
テン(プロフ) - かなさん» かなさんコメントありがとうございます(*^^*)そう言って頂けてとても嬉しいです!亀更新で申し訳ないですが、これからも楽しんで貰えれば幸いです♪ (2022年4月29日 2時) (レス) id: c0a1965786 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - とても面白いです!応援しています(^^*) (2022年4月16日 5時) (レス) id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - sayyさん» sayyさんコメントありがとうございます。亀更新で申し訳ありません^^;とても励みになりました!続きは気長にお待ち頂ければありがたいです(*^^*) (2021年9月27日 21時) (レス) id: 7837fbad55 (このIDを非表示/違反報告)
sayy - カカシが可愛い!応援してます!頑張ってください! (2021年9月23日 21時) (レス) @page37 id: 694cb4f9d7 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - キーさんさん» キーさんコメントありがとうございます。確かに最近ナルト作品少ないですよね(^^;ナルト君達も出していけるように頑張りますね♪応援ありがとうございます(*^^*)とっても嬉しいです。 (2021年2月14日 12時) (レス) id: 3d6ac160d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:テン | 作成日時:2021年2月6日 22時