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同期のアイツ【her view】5 ページ11

でも



現実は酷く残酷だった




「A!!」


「紅?どーしたのそんな血相変えて。」


アンコに誘われて、甘味屋で団子を食べて談笑していた私は串を口に咥えたまま、青い顔をした紅を見つめた。


「……リンがっ!!」


「え?リンがどーしたの?」


「……死んだわ。」


「……まったまたあ!リンが死ぬ筈ないでしょ?カカシと一緒に居る筈でしょ?ないないー!」


「A!!いいから来てっ!」




ひきつった笑顔の私の口から乱雑に串を引き抜いて、手を取る紅に無理矢理引きずられながら向かった先で見たのは、見るも無惨な親友の姿。




「嘘……なんっ……で?リン……嘘だよね?」


「A。」


「っ!?ミナト兄さん!?どういう事!?カ、カカシは!?カカシは無事なの!?」



名前を呼ばれた瞬間、直ぐ傍に居たミナト兄さんのベストを震える両手で掴んで見上げたけど、その表情は酷く暗かった。




「……カカシは生きてるよ。大丈夫。A……落ち着いて聞いて。」


「落ち着いてって……何言ってるのミナト兄さん!!……この状況でどう落ち着くの?何処の……何処の忍ですか?リンを殺したヤツ、私が絶対仕留めます。」





零れそうになる涙を堪えて拳を握りながら挑むような目を向けた私に、ミナト兄さんは酷く悲しい顔をした。




「A……頼みが……あるんだ。」



「何?」



「カカシはきっと君には真実を話す。だからそれはカカシに任せる。だけど、A。その言葉、最後の最後までちゃんと聞いてあげて欲しい……お願い出来るかい?」




深々と頭を下げるミナト兄さんはもう泣いてしまいそうで、オビトが死んだ時と同じ様にリンの傍にはカカシが居たんだと悟った。



だからミナト兄さんに分かったとは言ったけど、病床で消え入りそうなカカシを目にした時はドキッとした。




色を失くした隻眼が、私を一瞬捉えて直ぐに視線は逸らされた。


もう、それだけで


全部理解した


りんの遺体の真ん中に開いた焼け焦げた痕


あれには見覚えがあったから




あれはカカシの


雷切だ

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テン(プロフ) - かなさん» かなさんコメントありがとうございます(*^^*)そう言って頂けてとても嬉しいです!亀更新で申し訳ないですが、これからも楽しんで貰えれば幸いです♪ (2022年4月29日 2時) (レス) id: c0a1965786 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - とても面白いです!応援しています(^^*) (2022年4月16日 5時) (レス) id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - sayyさん» sayyさんコメントありがとうございます。亀更新で申し訳ありません^^;とても励みになりました!続きは気長にお待ち頂ければありがたいです(*^^*) (2021年9月27日 21時) (レス) id: 7837fbad55 (このIDを非表示/違反報告)
sayy - カカシが可愛い!応援してます!頑張ってください! (2021年9月23日 21時) (レス) @page37 id: 694cb4f9d7 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - キーさんさん» キーさんコメントありがとうございます。確かに最近ナルト作品少ないですよね(^^;ナルト君達も出していけるように頑張りますね♪応援ありがとうございます(*^^*)とっても嬉しいです。 (2021年2月14日 12時) (レス) id: 3d6ac160d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テン | 作成日時:2021年2月6日 22時

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