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最悪な気分と最高の気分とが混ざり合って、もう何がなんだか分からない。
Aはいよいよ談話室のソファーの上に自分を抱きしめるようにしながら倒れ込んだ。スリザリン生は皆夕食に向かったので、彼女は部屋に一人ぼっちだ。先程の出来事がほわん、と思い出され、妙に幸福な気分になる。……最悪な思いをしたはずなのに。
目の前でドラコが「穢れた血」と言ったー(でも自分には言ってこなかった)ードラコに「貶しなさい」などと生意気な口を叩いてしまったー(久しぶりに話せるチャンスだったのに)。……彼がハリーに杖を向けたー(どうしてかしら)ードラコがイタチになって、それで……
ここまで思い出すと、彼女は顔を赤くした。―ドラコって、あんなに背が高かったっけ。あんなにいい香りがした？
……あんなに、温かかったっけ。
また、触れてみたい。
前までのような関係に、戻りたい。
「ドラ、コ……」
彼女の唇が、不意に彼の名前を呼ぶ。
「……A」
「え…ドラコ…？」
「夕食に来ないから」
「心配した」と言おうとしたマルフォイの言葉が発されることはなかった。Aが杖を片手に立ち上がったからである。彼女は心から辛そうな顔をしていた。
「どうして、そうやって貴方は…！」
「何故僕に杖を向けるんだ」
「だって……！」
ドラコの優しさが、辛いの
なんて言えるはずもなく、彼女はついに杖を下ろした。彼女が震わせる肩が不意に抱き寄せられ、談話室には彼女のすすり泣く声だけが響いている。
「全く、また僕の前で泣くのか」
「う、るさい。今年から私と関わるのやめたんでしょ、ほっといてよ……」
「それには理由があって」
マルフォイがAに事の発端を話そうとしたその時、談話室の扉が開かれた。食事を終えた生徒たちが帰ってきてしまったのだ。彼女たちは慌てて離れる。Aは切なげな表情をする彼にも、悲しいと思ってしまう自分にも腹が立った。
幸いにも、スリザリン生が彼女と彼の逢瀬を知ることは無かった。
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悠 - 最近この小説を知って面白くて読んでます！貴方様の小説すごく面白いのでゆっくり待っています！頑張ってください！ (2021年2月20日 21時) (
レス) id: e6d54d0e11 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - すごく面白いです!！！たのしみです (2021年1月13日 1時) (レス) id: 50dc2b53cf (このIDを非表示/違反報告)
梨雪(プロフ) - ピンクジョイさん» ありがとうございます(T_T)励みになります...！もう少々お待ちください...( (2020年12月29日 7時) (レス) id: 9863b06866 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクジョイ(プロフ) - すごく面白くて読みやすいです！更新遅くてもいいので続き楽しみにしてます^^* (2020年12月11日 16時) (レス) id: eb4e569138 (このIDを非表示/違反報告)
梨雪(プロフ) - tokitaさん» ありがとうございます(T_T)最近忙しくて思うように更新出来ていないのですが必ず続き出します、、、！！！ (2020年11月28日 18時) (レス) id: 1aa1f35963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨雪 | 作成日時：2020年8月29日 10時
