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「Aは?」

廊下のベンチで珍しくタバコを1本吸ってる春千夜に声をかけると
部屋の中でまだ起きてると返ってきた




ココが先生から詳しい話を聞いてる間も
Aは2人が静かに並んで寝てる部屋で小さい丸椅子に座って目を覚ますのを静かに待ってそのまま病院に泊まったけど、春千夜もAが1人でいるのが心配で、
一緒に病院に泊まった

朝を迎えても蘭も竜胆も目を覚まさない
心電図は正常な動きを見せているも
Aは不安なのか寝ようともしない



「A、寝ろ。
コイツらが起きた時Aが寝不足で倒れるようじゃ
元も子もねぇぞ?」


「まんじろー、」



「でも、2人が起きた時そばにいたい、」



「そのために休め。な?」
家に帰っても2人がいないから
寂しくて帰りたくないんだろう
「春千夜と一緒に帰れ、
ちゃんと睡眠とったら戻ってこい。」

「でも、」

「A」

有無を言わさず、じっとAを見つめると
観念したのか頷いたA
春千夜はそんなAの頭に手を乗せて
ゆらゆらと揺らした
「お前がちゃんと寝たらこいつらも起きるって。
ほら、一旦帰るぞ〜」

Aを小脇に抱えて連れ帰る春千夜を見送る

別れ際にAに渡されたUSBメモリ
俺の手の中で小さく存在感を示す

取引でこちらが提供するはずだったもの
敵対組織の情報がたっぷりと入ったメモリ
これが取引じゃなく向こうに渡ったら
抗争なんてもんでは済まなかったと思う

「…良かったな、竜胆、蘭
Aが取り返してくれて。」

そう呟いても2人はまだ眠ってる
「早く起きてやれ。Aが泣いてんぞ」










病院でシャワー浴びさせたけど
こういう時はちゃんと湯船に浸かったほうがいい
なのに

「はるちゃん。」


カラスの行水

「早すぎ、ばか。ちゃんと温まってこい」

浴室に押し戻し、適温に温まってる湯船にAを落とす
風邪ひかれたらたまったもんじゃねぇ
着替えたパジャマのまま湯船に浸からせたから
気持ち悪いって言うAにデコピンして黙らせる
そもそもお前がちゃんと寝てればこんな事なかったっての

「俺が100数えるまで出てくんな」


浴室の扉の前で数数えている間
静かに扉の向こうから聞こえてくるのは
ちゃぷん と水が滴る音と、Aの啜り泣く声

アイツらがAと約束したから大丈夫だと信じてるA
それでも、父親母親の事があるからアイツらが元気にAの目の前で笑いかけるまで不安でしょうがないんだろう


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まゆか(プロフ) - 飴玉さん» っ嬉しいです!ありがとうございます (2022年1月3日 7時) (レス) id: 9f4232803c (このIDを非表示/違反報告)
飴玉(プロフ) - Heartache.....大好きです..... (2021年12月28日 15時) (レス) @page43 id: 16dec3cb2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まゆか | 作成日時:2021年12月7日 0時

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