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IBARA
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七「…………、」
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七「……痛ぇな、」
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そりゃあ、ほんの僅かだが
火の塊には変わりはない。
顔の薄い皮膚にとっては、
たまったものじゃなかった。
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親水性ポリマー製の皮膚に密着する
特殊な絆創膏が、俺の左頬に貼られている。
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じわじわと。
ヒリヒリと。
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我慢が出来ない程ではないが、
それなりの痛みが鈍く残っていた。
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《 ガラッ、 》
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背中越しにドアの開く音が聞こえる。
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佐賀美氏が戻って来たんだろう。
病院に行く件は断らなくては。
じゃないと、リハーサルが間に合わなくなる。
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《 キィ…… 》
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座っている丸椅子を半回転させたと同時に、
“声”がして。
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七「…！？」
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《 ガタッ…！ 》
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驚きのあまり、反射的に俺は勢い良く立ち上がった。
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しかし、立ち上がっただけで、
俺から言葉は出なかった。
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「何、その顔……、」
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俺を見るなり、
眉を思い切りしかめるAさんがいた。
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何故、ここに？
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そう言いたいのに。
人間、あまりに驚くことがあると
声が出なくなるというのはこのこと。
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渇いた口の中。
俺は一度だけ、ゴクッと
生唾を飲み込むので精一杯だった。
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七「いやぁ、お恥ずかしい…！」
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七「設備不備と伺っておりますが、自分の不注意が基でもあります！」
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七「注意力の散漫！不届き！」
七「何より自意識過剰！」
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七「セーフティラインを越えていたことに全く気が付きませんでした！」
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七「本当にお恥ずかしい！」
七「穴があったら入りたいとは、まさにこのことでありますなぁ！」
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それでも、咄嗟に自分を取り繕うのは得意だ。
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大口を開けて、笑って見せた。
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笑うと、火傷の部分が
引きつって痛かった。
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じまさき(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!そちらの方とあとはぷらいべったーでの更新も考えていますので、お待ちいただければ幸いです* (2022年11月12日 0時) (
レス) id: 01dc0f93ee (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - また私の我儘になってはしまうんですが、make love（？）の方も書いて頂けたらと思います！何度もすいません🙇♀️ (2022年10月11日 23時) (レス) @page47 id: 46b0df9146 (このIDを非表示/違反報告)
じまさき(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。完結後のその後のエピソードは書きたいなとは考えているので、実現させたいと思います…!貴重なご意見ありがとうございます* (2022年10月11日 23時) (レス) id: 01dc0f93ee (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 初コメ失礼します🙇♀️このお話が完結したらこのお話の番外編みたいなのが読みたいなと思っています。私の我儘ですがじまさきさんがよければお話しを作っていただきたいです。 (2022年10月2日 0時) (レス) @page45 id: 46b0df9146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じまさき | 作成日時：2022年6月12日 23時
