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IBARA
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前にも、こんなことがあった。
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彼女と暗がりの中でふたりきり。
その時の俺と彼女も、
決して良い仲ではなかった。
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そして、何を血迷ったのか。
俺は彼女の手を握っていた。
その手を、離そうとも思わなかった。
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スマートウォッチの
僅かな明かりが照らし出した
不安そうに眉を歪める彼女の表情。
それを見た瞬間、深く閉した記憶と感情が
微かに呼び起こされていく気がした。
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目に付いた彼女の華奢な首筋。
蘇る最低で忌々しい記憶。
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こんなことで、それが
償えるとも許されるとも思ってはいない。
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しかし、言わずにはいられなかった。
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七「…申し訳、ありませんでした」
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そして、少しだけ、ほんの少しだけ。
指先で、彼女の首に触れた。
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《 こちら管理室、こちら管理室です 》
《 大丈夫ですか？ 応答願います 》
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パッと、突然
エレベーター内の明かりが灯り、
音声が流れる。
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「…！」
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それに驚いたのか、彼女は抱えていた荷物を
下に思い切り落としてしまう。
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「だ、大丈夫だからっ」
「茨くんはそっちの人とやり取りしてっ」
七「しかし…」
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拾うのを手伝おうとするが断れた俺は
防犯カメラに向かい、
管理室と話をすることに。
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七「中には自分を含め2名おります」
七「ケガ等はございません」
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それから程なくして、
最寄り階にエレベーターは到着。
安全を考慮し、ふたりとも
降りるよう指示を受けた。
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じまさき(プロフ) - lioさん» いつもありがとうございます！移行できましたので、ぜひお時間ある際にご覧ください(^^) (2021年8月31日 0時) (
レス) id: 01dc0f93ee (このIDを非表示/違反報告)
lio(プロフ) - 毎回毎回楽しみにしています！次回も応援してます！！！ (2021年8月28日 4時) (レス) id: 2079d47a7a (このIDを非表示/違反報告)
じまさき(プロフ) - 陽愛さん» コメントありがとうございます(^^)茨くん推しに一役買えて嬉しいです…！これからもお楽しみいただけますと幸いです。ありがとうございます* (2021年7月25日 23時) (レス) id: 01dc0f93ee (このIDを非表示/違反報告)
陽愛(プロフ) - お願いだあぁ、いばにゃん泣。切ないよ、私の心がBroken heartだよ←は？ おっと、失礼、取り乱しましたw いつも、拝見させて頂いております！この小説で茨という推しが増えてしました。ありがとうございますwこれからも応援してます！ (2021年7月23日 10時) (レス) id: b2e809b8c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じまさき | 作成日時：2021年7月21日 22時
