【あんスタ】偶像崇拝Ⅲ (ページ32)

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凛月side

王さまが消えた。

チェックメイトの前後から少し様子がおかしかったけど、寝不足とかだって思ってた。

王さまが消えてから、Knightsの4人で探し回ったけどどこにも居なくて。

主さま＿＿＿みずちゃんにもセッちゃんが聞いたらしいけど、主さまも知らないらしくて。

…でもそうだよね、主さまも主さまで忙しいみたいだし。

五奇人が崩壊しつつある。

ううん、この学院が崩壊してる。

いつもなら寝て過ごす午前中だって、周りに溢れるのは五奇人や主さまへの罵詈雑言で。

それが寂しくて、悲しくて、苦しくて。

おちおち寝てなんか居られない。

そうやって過ごしている間にも五奇人は殺されていく。

そんなある日。

＿＿＿主さまも消えた。

昨日までは泣きそうな顔をしながらも学院に居たのに。

翌日には消えていた。

ストレスとかで休んでるのかな？って思ってた。

なら俺が抱き枕にして寝かしつけてあげよ～って思ってた。

でも……………違った。

いつまで経っても主さまは姿を現さなくて、エッちゃんに聞いてもはぐらかされて。

心底嫌だったけど兄者にも聞いて。

でも兄者も知らなくって。

…………みずちゃんも、兄者や月ぴ～みたいに居なくなるんだって悲しくなった。

寂しかったし、つまんなかった。

こうやって悲しいな、寂しいな、って思ってる間にも季節はすぎて、もう次の桜が咲いた。

Knightsにはス～ちゃんが入って、この学院は大きく変わった。

生徒会が負けたし、今までの圧政が消えてった。

それは嬉しいし、過ごしやすくなったな～なんてお昼寝をするんだけど、やっぱり主さまも王さまもいなくてつまんない。

早く帰ってきてくれないかなぁ…と思ってた所に主さまが帰ってきてくれて、ものすごく嬉しかったんだ。

だから、ねぇ王さま？

早く主さまをぎゅ～ってしてあげてよ。

主さま、ずっと寂しそうだったんだよ。