風柱、行方不明につき。【鬼滅の刃】

捜索玖 ページ9

気が合うように支離滅裂な私たちは自己紹介をした。

この隊士さんは村田さんというようで。



今度会ったら挨拶しますね、って言って別れた。
いや言わなくてもこれ至極当たり前なことだな。





一日目はこんなもんだよね、って。

そんな何でもかんでも上手くいかないよな〜って自分を正当化。













その日の昼。

冨岡さんの鴉ちゃんが飛んでくるのが見えてグーちゃんが少し機嫌悪そうだった。


鳥同士なのに仲違い？


グーちゃん友達いなさそうなんだから、って言うと拗ねられた。



鴉ちゃんに冨岡さんの所まで案内してもらい、



「案内する」

「よろしくお願いします」


冨岡さんにまたもや案内してもらう。




今日の冨岡さんはなんだか張り切っているように見えた。無表情だけど。




「頼られルのが嬉シいンですよ…」

コソッと教えてくれた鴉ちゃん。







なるほど。無表情の裏にはそんな苦難が。
ってそんな聞いとらんけどな。


そして私、噂には聞いていたけれど藤の花の家紋の家に行くのが初めて。

どんな所なんだろう？？？
















藤の花の家のことを考えているとふと、刀のことを思い出した。








「そういえば冨岡さんがあの刀を持っているんですか？」

「そうだが」



やっぱり………。

ず、ずるい………。














ギュッとこぶしを握って覚悟を決めて言った。
















「返してもらうことって可能ですか？」








「何故だ？」


「…え、と、………」



風柱様の物を肌身離さず持ち歩いて、風柱様を感じたいなんて言ったらぶち殺される？？









「こ、この子が刀が無いと眠れないそうで…っ！！！」


私はグーちゃんを犠牲にした。
はい、プライドなんてもの川に投げ捨ててきました。








それを見た冨岡さんが呟く。





「…グーちゃんか」


「グーちゃんです」











グーちゃんその顔引いてるね？

誰に引いたの？


無表情でグーちゃんって言う冨岡さん？








「別に構わない。その刀も藤の花の家に預かってもらっていた」




や、やった！
刀が我の元に！！！



風柱様の持ち物が！！！！







「藤の花家にですか…?随分信用しているんですね？」




「嗚呼。何しろ、その家には」















その家には？？
























「…着いた。此処だ」





言えよっっっ。

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