風柱、行方不明につき。【鬼滅の刃】

捜索卅参 ページ33

あの時とは真逆。
真っ暗な中、疑心暗鬼になるようなことは無い。

月の光って安心感半端ないわぁ。
なんて感心しながら堂々と歩く。


刀鍛冶の里だから鬼が出ることだって無いだろうし。なんて素敵な里なんだろう？？


なんだかそう思い始めると全てが素敵に見え始める。

あの木もあの茂みもあの石もあの壺も。



「ん？」

壺？？？？なんでこの山の中に壺？

刀鍛冶の人達は壺を添えるのがしきたり的な？いや謎の風潮だなあ。

まあ文化が違うところだってあるよね。
自分を無理やり納得させた。



「グエッ」


するとグーちゃんが早く歩き出した。
なんでもこの壺嫌な予感がするらしくて。

グーちゃんのこういう勘は当たる。

でもたかが壺。何が危ないのかな。
腑に落ちない様子であたしもグーちゃんの後を歩いていった。








「あれ…？」








その時、壺がグラッと揺れた。
気がした。

あたしの見間違い？
いやそうであってくれ。頼む。







と、あたしの頼みも虚しく裏切られる。


その壺の中から何が現れた。






「ヒョッヒョッヒョッ、なんだその鳥は。私の芸術に相応しいっっ。」



気持ち悪っっ。





もう今度はなによ…！！！？！
なんで？なんで毎回イベント発生するの？

風柱様とのイベントは無いくせに、悪運だけ強いのなんとかして。



しかも壺とかやめてよっっ。
前に高い壺割っちゃった祟り！？！？

あの時泣きながら謝ったじゃんっ。






「グエッッ！！！」




グーちゃんはツボの変人を見た瞬間にあたしに逃げろと言った。
あたしの本能も気持ち悪い逃げろって言ってた。



なので逃げようと足を速めようとした、が…









「逃がさんぞ」







この壺の変人は捉えた獲物を逃がさぬ精神がすごく、勿論攻撃してきた。


そして素早いなにかがあたし目掛けて攻撃してきた。

その瞬間に目を瞑ってしまった。
怖くて。






「……？？」






けれど痛みはない。






目をゆっくり開けると…









「グァ………」






目を開け、グーちゃんを見るとあたしが受けるはずだった攻撃をグーちゃんが庇っていた。









「グ、グーちゃんっっ！！！！」

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