40.怒られました ページ41
貴利矢「Aの心の中、当ててみせよっか?」
ベンチに座ったまま、両腕を伸ばして伸びをしながら貴利矢が言う。
貴利矢「どうせクッソ真面目なグラファイトの気持ちに心が揺れて、自分に罪悪感感じてんだろ?」
A「、、、」
貴利矢「でもさ、今は自分の番だから。グラファイトに乗せられるのはルール違反なんじゃないかなっと思うんだよねぇ」
A「ごめんなさい、、」
貴利矢「だから今はさ、自分の事だけ見てくんない?」
急に真面目になった貴利矢の声に彼の顔を見ると声の通り真剣な眼差しでAを見ていた。
貴利矢「自分以外はAの元カレだし、話聞いたらさ、嫌いになって別れた訳でもない。だから久しぶりに会ったらそりゃ、Aは簡単に気持ちが靡くだろ。それはわかるんだけど、自分だけ元カレでも無いし、Aを傷付けた事しかないから、正直焦ってる。他の奴より不利だ。でも真剣にAの事考えてるから、途中で邪魔されたくない。今は自分との1週間のはずなのに、グラファイトに気持ちを持ってかれそうになったAに怒ってる。」
貴利矢の言う通り、グラファイトに靡いてしまった事に罪悪感を感じていたけれど、どんな時も優しかった貴利矢を怒らせてしまった事がAにはとてもショックだった。
A「貴利矢、ごめんなさい、、」
しょんぼりと俯くAの手をそっと貴利矢が握る。怒ってるはずの貴利矢の顔はふっと優しく微笑んでいた。
貴利矢「Aが自分の事を一生懸命考えてくれて、でもそれでも自分がAの真実の愛の相手じゃ無かったら諦められる。だけど、誰かに邪魔されてダメになるのはゴメンだから」
A「貴利矢、、」
貴利矢「さっ、遅くなったから帰ろうぜ!」
優しく手を繋いだままベンチから立ち上がり、手を引っ張ったり引っ張られたり笑いながら貴利矢のマンションに帰る。
パタンと玄関のドアが閉まり電気のスイッチを入れる前に貴利矢にぎゅっと抱き締められ、ドキンと胸が鳴った。
貴利矢「ホント大好きなんだ」
貴利矢の胸からも腕からも優しさが溢れ、その暖かい心地よさに目を閉じる。
このままゲームクリアになれば良いのに、、、。
Aは素直にそう思った。
貴利矢に惹かれているのもホントの気持ち。
グラファイトに惹かれているのもホントの気持ち。
黎斗にだって、大我にだって、優しく触れられれば縛ることの出来ない心は簡単に翻弄される。
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大崎舞子(プロフ) - moon791さん» ありがとうございます!第2部までもうしばらくお待ち下さい♪ (2018年4月28日 9時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
moon791(プロフ) - 第2部突入ですか!続編を期待して待っています! (2018年4月28日 7時) (レス) id: 5e8cd81772 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - kojiさん» どこかで言わせてみます♪ (2018年4月27日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
koji(プロフ) - 大崎舞子さん» そんなん言われたら悶え死ぬ!!笑 でも‥言われたいっっ!(重症) (2018年4月27日 20時) (レス) id: 91fefba221 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - ウルフさん» 只今、あんまりな夢主ちゃんなのでそのうち誰かに癒してらもらえるはず?? (2018年4月27日 19時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2018年4月12日 12時