38.思いをぶつけてドラゴナイト ページ39
グラファイトに連れてこられたゲームエリアは漆黒の闇の続く夜だった。
誰もいない深い夜に二人きり。
お互いの息遣いが聞こえるだけの静かな夜だった。
自分を抱きしめているグラファイトの気持ちが痛い程伝わってくる。
いつも強く燃えるような自信に満ちた彼が、不安に苛まれその瞳を揺らしていた。
そんなグラファイトを初めて見たAの胸の奥は、彼を愛しいと思う感情の波がどんどんと押し寄せて溢れてしまう。
グラファイトの背中をそっと抱きしめ返す。
グラファイト「俺ではダメか?」
A「ごめん。今はまだ誰の気持ちにも応えられない、、」
グラファイト「俺はお前を愛している。お前がレーザーや他の誰かのものになってしまうのかと考えると自分の胸が潰れそうに苦しくなる」
A「グラファイト、、、」
グラファイトの瞳はずるい。
あんなに熱く燃える焔で射抜く事も出来るのに、その対局にあるような切ない目でもAの気持ちを掴んでしまう。
ドラゴンに囚われた心は、仕事中に転送されてきた事も、貴利矢との事も忘れさせられて、その腕の中でゆっくりと目を閉じてグラファイトの唇から流れ込む切なさの混じる愛しさで繋がれてしまう。
グラファイト「せめて俺がどれだけお前を愛しているか伝えたい」
甘くて切ない吐息がAの耳を掠め、グラファイトの唇が耳から首筋をゆっくりと辿り始める。
そのまま押し倒されて唇が重なり、グラファイトの指とAの指が絡み合い、心も身体も彼に捕らえられた様に甘い感触に沈んで行く。
何度も何度も唇から愛しさを注ぎ込まれ、愛していると囁く声に息を飲む。
グラファイト「お前は俺のものだ」
心が手に入らないのなら、力で奪えるものは全て自分のものにしたい。
そんな極端な思考がユラユラとグラファイトの中で膨れ上がり、Aに重ねた身体が熱く疼き始める。
A「待って!」
服の中に入って来たグラファイトの指の感触にパッと目を開けたAが我に返ってグラファイトの腕の中で抵抗するが、そのまま力で押さえ込まれて身体のあちこちにグラファイトの唇や指の感触が這い回り、思わず甘い声を上げてしまった。
グラファイト「愛してる」
A「でも、今はダメなの、、、お願いグラファイト。貴方の気持ちはよくわかったから」
Aの言葉にグラファイトは諦めた様に大きくため息をついてAをそっと抱きしめた。
A「ありがとう」
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大崎舞子(プロフ) - moon791さん» ありがとうございます!第2部までもうしばらくお待ち下さい♪ (2018年4月28日 9時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
moon791(プロフ) - 第2部突入ですか!続編を期待して待っています! (2018年4月28日 7時) (レス) id: 5e8cd81772 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - kojiさん» どこかで言わせてみます♪ (2018年4月27日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
koji(プロフ) - 大崎舞子さん» そんなん言われたら悶え死ぬ!!笑 でも‥言われたいっっ!(重症) (2018年4月27日 20時) (レス) id: 91fefba221 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - ウルフさん» 只今、あんまりな夢主ちゃんなのでそのうち誰かに癒してらもらえるはず?? (2018年4月27日 19時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2018年4月12日 12時