34.あの頃よりも ページ35
A「きゃっ?!九条先生、言ってることとやってる事が違いますっ!」
貴利矢の下で慌てて抵抗するAの両手を掴んで貴利矢はにっこりと笑う。
貴利矢「だってそんな可愛い顔、ずるいっしよ?しかも『九条先生』って言ったよな?」
A「あっ、、」
貴利矢「はい、お仕置き〜」
貴利矢はちゅぅっっとわざと音を立ててキスをする。
真っ赤になって貴利矢の顔を見ると、まだにっこり笑っていた。
貴利矢「無理矢理したりはしないけど、Aちゃんをドキドキさせるくらいはいいだろ?」
なんだかその子供みたいに素直な貴利矢の笑顔が可愛くて、ソファに押し倒されているというこんな体勢なのに、ちっともおかしな気分にならない。
それは貴利矢も同じ事。
あの頃より大人になったからかもしれない。
自分の気持ちを全て隠すかぶつけるか、そのどちらかしか出来なかったあの時とは違う。
愛しいと思う気持ちを隠す事なくじゃれ合うように相手に伝えられる余裕。
そしてそれを受け止めて微笑むことこ出来る余裕。
同じ誰かを愛してるのに、時が経てばこんなにも相手を傷付けずに伝えられる。
同じ誰かからの愛しい気持ちも、大人になればこんなにも穏やかに嬉しいと感じられる。
だからきっとあの日の事は、大人になるための大切な1ページだったんだと、今はそう思える。
A「あ〜、今Aちゃんって言いましたよ?」
貴利矢「あっ、しまった!」
A「貴利矢にもお仕置きが必要かな?」
今度はAが意地悪な笑顔で見上げる。
貴利矢「どんなお仕置きしてくれんの?出来ればすっごいえっちなヤツがいいんだけど」
A「1週間口きかないとか?」
貴利矢「 おい!それ本気のお仕置きだろ!」
A「えへへ」
自分の下で微笑むAが可愛くてたまらない。やっぱり酔っ払ったフリしてこのまま、、と貴利矢の理性が負けそうになった時。
Aの携帯が鳴った。
A「黎斗さん?しかもFaceTime!!」
黎斗『九条貴利矢ーー!!!』
画面いっぱいに怒りの神の顔が映し出される。
貴利矢「うおぉ!なんだよ!」
黎斗『いいか!別々に寝るんだぞ!』
貴利矢「はいはい。じゃ、寝るまでに色々やっちゃおっかなぁ」
黎斗『貴様!!!私のAに何をする気だぁぁ!!』
貴利矢「今良いところなんだから邪魔邪魔!もう切るぜ?」
黎斗『おい!お、、』
貴利矢は電話を切って苦笑いした。
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大崎舞子(プロフ) - moon791さん» ありがとうございます!第2部までもうしばらくお待ち下さい♪ (2018年4月28日 9時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
moon791(プロフ) - 第2部突入ですか!続編を期待して待っています! (2018年4月28日 7時) (レス) id: 5e8cd81772 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - kojiさん» どこかで言わせてみます♪ (2018年4月27日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
koji(プロフ) - 大崎舞子さん» そんなん言われたら悶え死ぬ!!笑 でも‥言われたいっっ!(重症) (2018年4月27日 20時) (レス) id: 91fefba221 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - ウルフさん» 只今、あんまりな夢主ちゃんなのでそのうち誰かに癒してらもらえるはず?? (2018年4月27日 19時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2018年4月12日 12時