25.つまらない過去 ページ26
大我が研修医になった頃だった。
Aは自分は学生のまま何も変わらないのに、大我だけ新しい生活が始まり、置いていかれた様な寂しい気持ちに勝手になっていた。
研修医になった大我の口から出るのはいつも病棟や処置の話ばかり。希望とやる気に満ちた研修医には仕方の無い事。それは分かっていたけれど。
ある日。
大我と聖大病院の近くのコンビニで買い物をしていた時だった。Aの知らない若い女が大我を見つけて声をかけて来た。
大我の隣に居るAの事は目に入らないかの様に、ニコニコと笑顔で大我と話を始める。
病棟のナースなんだろう。綺麗で大人の雰囲気のその女はしばらく大我と仕事の話をして帰って行った。
大我「今回ってる病棟のナース。すげえ仕事出来るしさ、色々教えて貰ってる」
そう言った大我が笑顔だった事にAの幼いままの恋心がねじ曲がった反応をしてしまう。
途端に理不尽に不機嫌になったAにもちろん大我も怒った。
大我「お前、意味わかんねぇ！何で怒ったんだよ！」
A「ほっといてよ！」
大我「ああ、勝手にしろ！」
大我はいつも通りまたAが機嫌を直してすり寄って帰って来ると思った。でも、その日はいくら待ってもAは帰って来なかった。
本当につまらない嫉妬からだった。
そのナースにじゃない。
大我を新しい生活に取られてしまった様に勝手に錯覚して、救いようのない嫌な感情の渦に一人で飲まれただけだった。
不器用だった大我もへそを曲げたままのAの機嫌をとる事も出来ず、お互い大好きなのに、素直になれなくて、そのまま自然消滅してしまった。
本当につまらない過去。
大我「俺は正直後悔してる。あの時のお前を探しに行かなかったことをな。」
A「私は今ではあの時の自分がおかしくてたまらない。なんであんなにヤキモチ焼きの女の子だったんだろうって。大我くん、あの時の子供な私とよく4年も付き合ったてくれたよね。」
そう言って大我に微笑めば大我も笑ってくれた。
大我「なんだ、もう自分は今ではいい女になったみてぇな口ぶりじゃねぇか」
A「そりゃあ私も女として色々ありましたから。あんなピヨピヨ女子じゃありませんよーだ」
大我「へぇ、じゃあどんなもんかお手並み拝見だな」
A「え？」
大我「お前が好きだ」
驚いて大我を見れば、助手席から腕と上半身を伸ばした大我にグイッと抱き寄せられ、大我の唇が重なった。
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大崎舞子(プロフ) - moon791さん» ありがとうございます！第2部までもうしばらくお待ち下さい♪ (2018年4月28日 9時) (
レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
moon791(プロフ) - 第２部突入ですか！続編を期待して待っています！ (2018年4月28日 7時) (レス) id: 5e8cd81772 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - kojiさん» どこかで言わせてみます♪ (2018年4月27日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
koji(プロフ) - 大崎舞子さん» そんなん言われたら悶え死ぬ!!笑 でも‥言われたいっっ！（重症） (2018年4月27日 20時) (レス) id: 91fefba221 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - ウルフさん» 只今、あんまりな夢主ちゃんなのでそのうち誰かに癒してらもらえるはず？？ (2018年4月27日 19時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おおさきまいこ | 作成日時：2018年4月12日 12時
