10,貴利矢の部屋で ページ11
『どうして貴利矢に抱きしめられているんだろう?』
Aが酔った頭で考えていると、唇が重なった。その柔らかい感触に目を閉じると、酔った頭はクラクラと回るような感覚に陥り、口の中まで貴利矢の侵入を許してしまった。
その時はまだ残っていた理性で貴利矢の腕の中で顔を背けて逃げ出そうとしてみたが、力の入らないAは簡単に貴利矢に抱きすくめられ、耳元で囁かれる。
貴利矢「Aちゃん、ここまで来て乗せられてくれないなんて、なしだから」
貴利矢から逃げられるはずなんてなかった。
ベッドの上で甘くて誘惑のかおりのプンプンする様な危険なキスに囚われる。
そのまま貴利矢に服を脱がされ身体を許してしまった。
無言で淡々とした飛彩とは違う。
綺麗だよとか、可愛いとか、Aの身体も反応も貴利矢は褒めて愛してくれた。
もう完全に貴利矢の思うツボで、Aは何度も何度も甘い声を上げて貴利矢のものになった。
翌朝、素肌のまま貴利矢に抱きしめられる感触で目を覚まし、裸のまま抱き合っている自分を見て血の気が引いた。
貴利矢と寝てしまった。
飛彩を裏切ってしまった。
貴利矢の腕の中から出ようともがくAに目を覚ました貴利矢に逆に抱きしめられた。
貴利矢「Aちゃん、自分のもんになってくれたんだろ?」
貴利矢のその言葉に更に慌てた。
A「ごめんなさい!こんなつもりじゃ無かったんです!」
貴利矢「彼氏と別れたくないならこのまま黙っとくけど?」
A「、、、え?」
貴利矢「そのうち別れてくれたらそれで良いよ」
簡単そうにニコニコ笑う貴利矢の部屋から飛び出してAは自宅でしばらく泣いた。
飛彩にも会えない。
貴利矢からのメールも着信も無視した。
だけど、飛彩に対する罪悪感から黙っておくなんて出来なかった。
予想通り、飛彩は激怒した。許してもらえないと分かっていたけど、振られた後はしばらく自暴自棄の日々だった。
貴利矢ともその後は一切連絡を取らなかった。
貴利矢「ホント、ごめんな。結局、自分が大先生と別れさせた様なもんだよな」
A「いえ、九条先生にのせられた私が悪いんです。それに、もう昔の終わったことですから」
そう言ってAは貴利矢にニッコリ微笑む。
貴利矢「許してくれてありがとう」
貴利矢の笑顔に心がまた穏やかになる。
もうあれは懐かし程昔の思い出だから。
Aの感染ゲージはいつのまにか30%に戻っていた。
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大崎舞子(プロフ) - moon791さん» ありがとうございます!第2部までもうしばらくお待ち下さい♪ (2018年4月28日 9時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
moon791(プロフ) - 第2部突入ですか!続編を期待して待っています! (2018年4月28日 7時) (レス) id: 5e8cd81772 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - kojiさん» どこかで言わせてみます♪ (2018年4月27日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
koji(プロフ) - 大崎舞子さん» そんなん言われたら悶え死ぬ!!笑 でも‥言われたいっっ!(重症) (2018年4月27日 20時) (レス) id: 91fefba221 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - ウルフさん» 只今、あんまりな夢主ちゃんなのでそのうち誰かに癒してらもらえるはず?? (2018年4月27日 19時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2018年4月12日 12時