173.イチゴの無い日曜日 ページ5
夜のCRに一人残されたAは、黎斗に触れてしまった指先からのドキドキが収まらないまましばらくぼーっとしていた。
翌日は日曜日。昼前に出勤すると、いつも通り黎斗がPCの向こうから微笑む。
その笑顔にずぎゅーーんとcritical strikeを決められる。
ああ、まずい。昨日のドキドキの続きで顔が赤くなってしまう。
黎斗「A先生、日曜日なのに出勤?」
A「ええ、昨日オペした方の術後を見にきました」
黎斗「鏡飛彩は来ないのか?」
A「術後のチェックは下の者がするので、何も無かったら鏡先生は来ないですよ」
黎斗「恋人同士なのに、休日は別々に過ごすのかい?」
黎斗はPC画面から目を離さないで淡々と質問してくる。
A「、、、、鏡先生とは、、そう言う関係じゃないんです。本当は、、私は、、、」
『貴方の恋人なんです』
そう言って黎斗の胸に飛び込んだら、抱きしめてくれるだろうか?
それとも、思い出せない事が脳に負担となって、また黎斗を頭痛が苦しめるだろうか?
Aは何となく笑顔でごまかしてCRを後にした。
2時間程、日曜日の病棟で仕事をして、またCRに戻ると、冷蔵庫の前を腕を組んで行ったり来たりして、んーーーっと唸りながら腕を組んでいる黎斗がいる。
A「黎斗さん、どうしたんですか??」
黎斗「イチゴが、、、イチゴが無いーー!!!」
A「ええ?もう、全部食べたんですか?!」
黎斗「ああ」
自信満々に笑顔で答え、そのまま満面の笑みでAの前から動かない黎斗。
A「何ですか?」
黎斗「イチゴが無い」
A「聞きました」
黎斗「イチゴが無い」
A「聞きました!」
黎斗「イチゴが無い」
A「もぅ!分かりました!イチゴ、買ってくれば良いんですね??」
黎斗「ありがとう!A先生!!」
大げさなジェスチャーでAの両手を握り、ブンブン振り回す黎斗。
その顔はイチゴを買ってもらえる喜びで綻び過ぎ、イケメンが台無しになっている。
A「うっっ、、寄り目になってますっ」
手を握り、至近距離にあるおかしな顔にドン引きして、思わず両手で黎斗のほっぺをギューーーっっと潰してしまった。
寄り目のままほっぺを潰され、フリーズする黎斗。
A「あっっごめんなさいっっ!」
パッと黎斗から手を離してみたが、すぐにその両手を黎斗に捕まえられ、見つめ合う形になる。
ち、ち、近いーーっっっ!!!!
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大崎舞子(プロフ) - こはるさん» 初めまして!グラファイトのかっこよさを知っている方に読んで頂けて嬉しいです!いいですよね、グラファイト!トキメイテいただけて光栄です! (2018年7月4日 19時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
こはる - はじめまして、大崎さんのグラファイト作品を全て読ませていただきました!最近エグゼイド を全話見てグラファイトのかっこよさにノックアウトされた者です。大崎さんの書くグラファイトが素敵すぎて時間を忘れて読まさせていただきました。もうトキメキました。 (2018年7月4日 9時) (レス) id: dfc6dee562 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - 大崎舞子さん» 返信まで有難うございます。また、短編や新作も楽しみにしております。 (2018年2月5日 20時) (レス) id: 6877703fa1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - しゃけさん» こんばんは!読んで頂いてありがとうございます!とても嬉しいコメントです!!趣味で始めたものを素敵と言っていただいて感激です。またよろしくお願いいたします! (2018年2月5日 19時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - こんばんは。全て読ませていただきました。とても好きな話調で、続きをどんどん見たくなって舞子さんが投稿されているお話を全て一気に読んでしまいました。素敵なお話これからもお待ちしてます、ずっと応援していきたいと思います。 (2018年2月5日 17時) (レス) id: 6877703fa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2017年12月21日 6時