197.さようならドラゴナイト ページ29
A「お願い。パラドと一緒にこっち側に来て」
グラファイト「それは無理だ。俺は最後までお前達とは相入れることはない」
「でも、スナイプとブレイブが貴方を倒すわ」
「それで良いのだ、A」
「そんな、、、ダメだよ!私は、、私は、、、」
Aは涙が溢れて言葉にならない。
グラファイトがとても穏やかな顔をしているから。
その顔から、グラファイトの意志が変わらない事を悟ってしまったから。
グラファイトはAをそっと抱きしめた。いつもと同じ彼の暖かい胸。辛い時、側にいてくれたグラファイト。
「私はグラファイトの事を、、、大切な人だと想ってる、、、だから行かないで」
「泣くな、、」
そっとグラファイトがAの頭を撫でる。初めて出会った時は恋人が何であるか、愛しいとは何なのかバグスターである自分には分からなかった。
理解しようとも思わなかった。
だが今ではAを愛おしく思う気持ちが、戦いの中で唯一暖かい温もりに感じられた。
「行かないで、グラファイト、、、」
自分の胸で涙を流すAを心から愛していた。
「自分勝手なのはわかってる、、、でも、私はあなたが好きなの、、、」
自分で気付いていたけれど、決して口には出来なかった気持ち。
「A、もう充分だ。俺の欲しいものは手に入ったのだから。」
グラファイトはAに優しく微笑み涙を拭った。
「だからお前の気持ちは俺と共に消そう。」
「え、、」
「お前はゲンムの側にいるべきだ」
Aに微笑むグラファイトの目は少し赤い。
そっとAの頬に手を添える。
「A、愛している」
「私もよ、グラファイト、、」
そっと唇が重なる。どんな歌よりもどんな物語よりも切ない最後のキス。
止まって欲しいと願っても、時は止まることはない。
夕陽の陰った部屋は暗くなりグラファイトの真っ直ぐで強い瞳はキラキラと光っていた。
「行くのね、グラファイト、、」
「ああ。俺は龍の戦士だ。最後まで戦って散りたい」
「わかった」
「もう泣くな、A。俺の心は今とても清々しい。思い残す事など何もないのだから」
グラファイトは笑った。
もう一度強くAを抱きしめてフッと消えた。
泣かない、、、グラファイトが決めた道だから。
AがCRへ戻ると、リセットに対抗するため黎斗と永夢達が下で開発作業中でだった。
Aは邪魔しないように上のデスクで1人待つ事にした。
198.リセットに対抗する力→←196.最後の上級バグスター
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大崎舞子(プロフ) - こはるさん» 初めまして!グラファイトのかっこよさを知っている方に読んで頂けて嬉しいです!いいですよね、グラファイト!トキメイテいただけて光栄です! (2018年7月4日 19時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
こはる - はじめまして、大崎さんのグラファイト作品を全て読ませていただきました!最近エグゼイド を全話見てグラファイトのかっこよさにノックアウトされた者です。大崎さんの書くグラファイトが素敵すぎて時間を忘れて読まさせていただきました。もうトキメキました。 (2018年7月4日 9時) (レス) id: dfc6dee562 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - 大崎舞子さん» 返信まで有難うございます。また、短編や新作も楽しみにしております。 (2018年2月5日 20時) (レス) id: 6877703fa1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - しゃけさん» こんばんは!読んで頂いてありがとうございます!とても嬉しいコメントです!!趣味で始めたものを素敵と言っていただいて感激です。またよろしくお願いいたします! (2018年2月5日 19時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - こんばんは。全て読ませていただきました。とても好きな話調で、続きをどんどん見たくなって舞子さんが投稿されているお話を全て一気に読んでしまいました。素敵なお話これからもお待ちしてます、ずっと応援していきたいと思います。 (2018年2月5日 17時) (レス) id: 6877703fa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2017年12月21日 6時