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Aside


今日はりょうさんと約束したお食事の日。

いつもと違って髪をふわっと巻いて、ゆうかと一緒に買ったブルーのワンピースを着た。


待ち合わせは六本木駅。

遅れたらいけないと思って早めに来たけど集合時間20分前はちょっと早いかな?

なんて思っていると次の停車駅は六本木駅。

さすがにまだりょうさんは来てないと思うし、待ち合わせ場所で少し待ってよう。

いつりょうさんが来てもいいようにイヤホンを外してスマホを見ながら待っていた。



「お姉さん。今1人?時間ある?」


少しチャラそうな知らない男の人2人に話しかけられた。

『いや、あの、待ち合わせしてて。』

「お、いいじゃん。じゃあそのお友達も一緒に4人でご飯でもどう?」

『え、あ、いやごめんなさい。』


こういう風に話しかけられるのは初めてじゃないけど割としつこいのは初めてでなんと返したらいいか分からなくなってしまった。


「えーいいじゃん。ちょっとだけだからー。」

「俺たちかっこいいよ?」


私に近い方の人が私の肩を寄せようと手を伸ばして来る。

触られる、そう思った時だった。



「俺の大切な子に何触ろうとしてんの。」



パシっという音とともに男の手は止められ、同時に聞き覚えのある彼の声が聞こえた。


『りょうさん…』

り「待たせちゃったね。ごめん。」


彼の顔は相変わらずかっこよくて、でも少し焦っているように見えた。



「んだよ、ツレ居んのかよ。」


と言いながら男の人達は去っていった。



り「大丈夫?怖くなかった?」

『うん。大丈夫。助けてくれてありがとう。』


顔を上げると少しほっとしたような表情の彼が目にうつった。


り「予約してあるお店、吉祥寺だから行こっか。」


とりょうさんが歩き出したのは駅とは逆方向。ついて行くと辿り着いたのはタクシー乗り場だった。


『え、タクシー?』

り「うん。嫌だった?」


正直びっくりした。今まで1度もタクシーに乗ったことの無い私はいくらかかるのかがわからなくて少し怖かった。


『いや、大丈夫だけど…高いんじゃない、?』

り「俺が出すし。大丈夫。」


りょうさんは慣れた手つきでタクシーを捕まえて私を先に乗り込ませてくれた。

りょうさんが行き先を伝え、割と長い時間揺られていると到着を知らせる声がした。

ササッとカードで支払いを終え、運転手さんにお礼を伝えてタクシーを降りる。


り「じゃ、行こっか。」


と笑顔で言われ、ときめいてしまった。

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作者名:えいちゃん。。。 | 作成日時:2021年8月17日 1時

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