愛されたいのは 2

54 ページ6

*



そんな緊張すんなってってコーヒー飲みながら言うけど、そんなの無理だよ。

昨日の今日だよ。

二人きりだよ。

緊張するよ。

まだ私の答えも何も出てないのに、何かを聞かれても答えられる自信がない。


「ま、昨日の事だけどさ」

「はい…」


って北山さんの方を向いたけど、またふって吹き出して笑うし。


「なんだよ、そのめちゃくちゃ困ってますって顔！」


ってははって笑った。

私そんな顔してた！？と思い、両頬に手を添えた。


「別に今すぐどうこうしようなんて思ってねぇよ」

「え…」







手にしていたマグカップを置いて立ち上がったかと思ったら、私の横に座り直した。

私はつい少し間を空けて座り直したけど、また詰めてくる。

そしてまた間を空けたのに、また詰めてくる。


「ちょっと 笑」

「お前が離れるからだろ」

「北山さんが近づいてくるから」


なんだこの時間 笑

そしたら突然優しめのヘッドロックしてくるから、顔と顔がすごく近くて。

昨日の事を思い出してドキドキしちゃうから目をギュッとつぶってしまった。


「なに、キスして欲しいわけ？」

「ち、違うっ！！」


ってまた目を見開いた。

すると北山さんはまた昨日と同じ目をしてる。

だからやめてってば、その目は。







「お前が雰囲気に流されたのはわかってる」

「別にそういうわけじゃ…」

「100パー違うって言えるか？」


…言えない。


「でもホントに嫌だったら、全力で拒否したよな」

「はい…」


私の首に回していた腕をほどくと、私を真正面から見つめた。


「少しは…期待してもいい？」


ああ…どう答えればいいの。

55→←53

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す