愛されたいのは 2

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北山さんはずるい。

期待してもいい？なんて聞き方じゃダメなんて言えない。

でももっとずるいのは私の方で、ダメって言いたくないんだ。

北山さんと過ごす時間は楽しいし、もっと一緒にいろんな世界を見てみたいって思う。

でもそれは太輔さんにも言える事で…

こう思ってる事をそのままストレートに北山さんに言うのも失礼すぎるし、でもなんて言っていいのかわからないし！！

なんて考えをグルグル巡らせていたら、


「黙ってたらわかんねぇ」


って言われてハッとなった。








「あ、あの…私もまだ自分の考えがまとまらなくて」

「うん、あの藤ヶ谷って奴も気になるんだろ？」


まっすぐな目で聞いてくるから、もう正直に言うしかないって思ったんだ。


「はい…でも、北山さんと一緒にいるときの私、自分でも好きなんです。
なんか素になれるっていうか…だから…」


だから…何なんだろう。

その後の言葉が見つからなくて、とにかく北山さんの目をまっすぐに見つめた。

すると北山さんは私の頭をポンポンってして、


「ん、わかった」


って。

え、あんな訳わからないので何がわかったんだろうと思いながらも、ちょっとホッとしてる自分もいて。

開店準備するかって立ち上がり、私に手を差し出した。

その手を取り立ち上がると、急に抱きしめられた。


「ひゃっ」

「…ちょっとだけこのまま」


急に寂しがり屋の男の子みたいな声出すから、思わず背中に手をまわしてしまった。

男らしい腕と胸板にドキドキしてしまう。

そういえば前に寝ぼけた北山さんに抱きしめられた事もあったっけ。

すると少し離れた北山さんの視線が私の唇を捉えた。


「キスしようとしてますか？」

「はい、煽られたんで」

「煽ってません！」


って胸を強く押すと、はははって笑いながら私を解放した。

もう…すぐフザケるんだから。

でもきっとワザとこうしてくれたんだよね。

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