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狡噛と合流した亜紀は何も喋らず周りを探りながら先へ進んだ。
いつもとは違う空気を察知した狡噛は亜紀に問いかける。
狡「どうした、」
「、なんでもない」
こちらを見ずにそう言い放つ。
怒っているのだろうか、しかし何故彼女がこのような態度を取るのか理解できない狡噛は彼女をじっと見つめる。その視線に気づいたのか亜紀は溜め息をついて口を開いた。
「新人にいきなりあんな事言うから驚いたの。ただそれだけよ」
狡「…俺は監視官がすべき行動を言っただけだ」
「そうかもしれないけど、いきなりあんなこと言われたら彼女が戸惑うのも無理も無いわ。それに…」
狡「……それに？」
亜紀が言葉を続けようとした時、お互いのデバイスから通信の音が鳴る。
「こちらハウンド4、KTビル4階で対象発見。どうします？」
ハウンド4ーー縢の声に二人の動きが止まった。
KTビルは目の先にある。狡噛と亜紀は視線を交わすと、縢と宜野座のやり取りを聞きながら現場へと向かった。
「きゃあああああああ!!!」
突然デバイスから女性の叫び声とガラスが破損する音が聞こえた。
宜「縢っ！何やってる！」
縢「パラライザーが効かねぇ！ 野郎興奮剤か何かキメてやがる！」
どうやら縢だけでの確保は出来なかったようだ。手元のドミネーターがエリミネーターへと形を変える。
狡「まずいな」
「KTビルから脱走したならこの近くかもしれない！」
二人が現場に到着した時、既に征陸と朱が潜在犯にドミネーターを向けていた。大倉は怒声を張り上げ、二人に銃を捨てるよう強要した。
自分も参戦しようと歩を進めた亜紀に狡噛は腕を掴んでそれを止める。
彼なりの策があるようだ、
亜紀は彼に従い、その時を待った。
命令された通り、朱たちはドミネーターを地面に置いた。征陸は潜在犯に向けてそれを滑らす。
潜在犯は狂ったように笑いながら、ドミネーターに飛びつき征陸たちへ向けた。
「死ねっ！！！」
しかし、引き金を引いても何も起こらない。不正ユーザーである人間に使えないのは当たり前である。
「な…、何だこりゃあ!?」
狡「ご愁傷様」
その瞬間、狡噛と亜紀が後ろから飛び出した。
狡噛は即座に潜在犯へと銃口を向け、引き金をひく。
放たれた光線を間に受けた潜在犯は叫びながら大きな音を立て、ただの肉片へと化した。
周りに飛び散る血。
見るも無惨な光景に朱と人質であろう女性は目を見開いた。
狡「ハウンド3、執行完了」
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作者名：まっぽ | 作成日時：2015年4月18日 22時
