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重々しく開かれたドアからは、獣のように目を光らせる男女が出てきた。朱はその緊迫感に押され、唾をゴクリと飲む。
縢「そっちのカワイコチャンが噂の新入りさんっすか？ギノさんっ」
宜「常守朱監視官だ。貴様らにとって三人目の飼い主になる」
朱「よ、宜しくっ…お願いします…」
朱は先程亜紀にしたように大きく深々と礼をした。
宜「全員対象のデータには目を通してあるな？今から袋の鼠を更に締め潰す。二手に分かれて順繰りにいくぞ。六合塚と縢は俺と来い。
立花監視官と後の二人はーー、常守監視官に同伴しろ」
六「了解」
縢「えええ〜〜!?
オレはカワイコチャンと一緒がいいっス！」
宜野座は縢の訴えを聞き流し、装備運搬ドローンからドミネーターを抜き出した。
縢「……げぇ！ツッコミなしとかマジありえねー！」
六「滑ってるのよ」
ピシャリと言い放った六合塚と、朱に向かって未だに叫ぶ縢も宜野座と同じようにドミネーターを抜いて廃棄区画へと踏み込んでいった。
その様子を困惑しながら見つめ、朱は亜紀に助けを求める。
朱「えっと…あの、どうすれば…？」
征「あんたが待機を命令してくれりゃあ何の問題もないんだが」
狡「給料泥棒はやめときな、とっつぁん」
「征陸さん、新人を困らせないでください」
二人からの忠告に苦笑いを浮かべ、征陸は朱に話しかけた。
征「まぁそう緊張しなさんな。お嬢さん、ドミネーターの扱いは解るよな？」
朱「い、一応研修は…」
征「こいつは狙った相手のサイコ=パスを読み取る銃だ。相手が潜在犯だった場合のみセイフティが解除される。全部ドミネーターの言いなりになって撃てと言われた相手を撃ちゃあいい」
朱「撃てばいいって…」
征「基本モードならパラライザー、ただの麻酔銃だ。撃たれても動けなくなるだけだからそれで身柄確保して一件落着。なぁに、難しく考えるこたぁない」
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作者名：まっぽ | 作成日時：2015年4月18日 22時
