26話 ページ32
男と接触後、神威は阿呆提督に呼ばれ、食事を振舞われていた
「高杉晋助?」
「知らぬか、以前我等と密約を交わした鬼兵隊という武装集団の首領よ」
「もひかして、地球の?」
「侍といったか、開国の折棒切れ一本で最後まで抵抗したという蛮族共の残党だ」
「へぇ、アホ…あぁじゃない、阿保提督に名を覚えて貰っているなんて大した御仁なんでしょうね」
「互いに利害が一致する範囲の働きではあるが実に使える男。地球の江戸における春雨の実働部隊は奴等と言っても差し支えあるまい、今回の女狐を狩って来たのも奴等の働きだ」
「へぇ、そうだったんだ」
「しかし少々気にかかることがあってな。聞けば奴等江戸の政府を打倒せんとするテロリストという話ではないか。にも関らず、我等が中央と密約を交わそうと江戸に密航した折は、自ら政府の犬どもを引き付ける役を買って出た。何故か、そなたに分かるか?」
「そりゃ簡単な話でしょ。彼方も此方も相手を利用する関係なんですから、春雨を利用し、幕府に接近し、一気に中央を叩くつもりなんでしょう」
「え!そうなのっ?!…!!いや、その通りだ!アイツらそんな大それた事を…いや、ワシも気付いてたからね〜?や、やっぱりそうであったかぁクソォ!」
「ようやく、豊富な資源を持つ地球を食い漁る権利を分けてもらったのに、そんな事されちゃ商売上がったりですね。 ゴクッ まぁその高杉とやらが天導衆やうちの元老達を敵に回して勝てるとは思いませんが、うちの面子が丸潰れになるのは間違いないでしょう」
「そ、そんな事になったら元老院からお叱りを受けるのはワシではないか!」
「そうでふね、まぁ頑張って下さい。ご馳走様でした〜」
たらふく料理を食べさっさと帰ろうとする神威
そんな神威を慌てて引き止める阿呆提督
「ま、待たぬか神威!貴様を何の為に呼んだと思うておる!」
「ご飯奢ってくれたんじゃ無いんですかー?」
「違うわ!貴様等第七師団は組織の掃除・調整を行うのも仕事の内であろう!」
「…つまり、どうしろと?」
阿保提督は不敵に笑い
「使い終わった道具を片付けよ」
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作者名:まひろ | 作成日時:2017年10月31日 1時