第295話 ページ16
ヤムライハはAさんに後ろめたさを抱えているに違いなかった。焦りに追われるように勢い良く問う。
しかし。
シン「…残念ながら、全く得られなかった。
青年は、スラからただ遂行を命ぜられ、前後の情報も何も知らず魔法をかけられただけだった。
魔法道具の解析はヤムライハの部下が進めている。｣
そう、実際青年から入手できた情報はこれだけだった。ヤムライハをはじめ全員の表情を翳らせる。
…さらに悪いことに、私達はスラを敵だと断定することもできなくなってしまった。
シン｢だが、スラの関与さえ怪しくなった。ジャーファルとドラコーンによるとスラは今…｣
ここからは私が報告した内容だ。シンと眴せて、私は廊下へ出た。
・
・
…もう夜が近い。空の色が緩やかに落ち着いていく時間だ。
ピスティの状態は芳しくない。
医師によると、外傷はほとんど治癒しているが、体力の消耗が大きかったようで医務室で少しだけ休むといったきり、一度も目を覚ましていないという。
一方Aさんは、あまり眠っていないらしい。
氷の矢が真っ直ぐに刺さったことが幸いし傷口は抉られておらず、治りは早いと判断された。だが治癒魔法が全く通用しない。一般的な処置をし、安静にするしかないようだ。彼女のことだから、思いつめて休むこともままならないのかもしれない。
冷静に考えてみよう。
今回、八人将の一角が深手を負ったというのは、つまり、スラの力が、想定を随分と超越していて。
Aさんへの病的な熱意が引き起こしている行動、いや暴動だとすれば……
ジャ(Aさんを、シンドリアから追い出すのが、一番手っ取り早い)
目を固く瞑った。視界を遮断したところで現状は何も変わりやしないが、落ち着くには良い方法だ。だが数秒後、聴覚が私に動くように促した。
……緑斜塔の大鐘だ。
時は過ぎる。医務室の扉の前で立ち尽くしているわけにもいけない。
解決策は今からいくらでも考えられる。
とにかく、Aさんとピスティの見舞いを、と、戸を開けて、
すぐさま鏢を袖から飛び出させた。
ジャ｢――――止まれ！！｣
・
・
作者からお願い
自分の整理のためにもシンドバッドさんにまとめてもらいましたが、私自身が思い込みをしているところも多々あると思うので、
ここまででご質問があればコメント欄に書き込んでください、お願いします。
推理っぽくなってきてしまって脳の容量のない自分が辛いです
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カルティ(プロフ) - 凛さん» 長らくお待たせしてます。凛さんのコメントに、本当に救われます…！凛さんに宛てる心づもりで書いていきたいです。どうぞ、今後もよろしくお願いします！！ (2020年5月2日 18時) (
レス) id: 8b553715eb (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 更新ありがとうございます。このお話が大好きで、ずっと楽しみにしていたので、とても嬉しいです！続き楽しみに待っています。 (2020年4月26日 0時) (レス) id: 119aca1ca3 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - 幽さん» 幽さん、コメントありがとうございます。温かい言葉に支えていただき、今日更新に至りました。これからもお待ちいただけたら嬉しいです！これからもどうぞよしなに。 (2019年11月30日 18時) (レス) id: c008cc11a5 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - 夏澄さん» 夏澄さん、ありがとうございます！更新しました！！読みやすいと言っていただけて口が緩むのが抑えられません…！読みにくさを気にしてるので本当にうれしいです。今後もどうぞよしなに〜。 (2019年11月30日 18時) (レス) id: c008cc11a5 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - Msさん» Msさん、ありがとうございます！落ちは最後まで明かしませんので、どうぞこれからもよしなに。マスルールとももだもだできるといいなと思ってます(笑) (2019年11月30日 18時) (レス) id: c008cc11a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カルティ | 作成日時：2015年7月30日 19時
