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記憶の苦味 ページ4

ジリジリと暑い日差しの中、私はハッと目を覚ました。


ツーっと頬を流れてきた、汗か涙かわからないモノを拭う。



この夢をみるのはこれで何度目だろうか。


それでも、これは惨劇の始まりに過ぎなかった。


あの後、朝日が昇るまで待っても待ち合わせの山頂にお父さんが現れることはなかった。


見晴らしの良い木の上に浮遊魔法で登っていた私たち。

いつの間にか眠っていた私が目を覚ますと、母が泣いていた。


私のことを起こしてしまわないように、静かに私に背を向けて。



その姿を見て幼いながらにも悟ったんだ。


父は追ってに囚われたんだと。




多分、そのまま………








やめよう。


何度考えてもキリがない。



ムクっと起き上がった私は、体を休めていた近くの川の水を両手ですくった。

キラキラと透明に輝くそれは、ひんやりと心地よい。


先程見た悪夢の始まりを忘れるかのように顔を洗う。


それに気が済むと、今度は喉の渇きを潤した。


クイッと口元を拭って立ち上がる。



そして、母の形見でもある杖を手に取ると歩き始めた。


どこに向かっているのか、どこに向かうべきなのかもわからない。


それでも、私は歩き続ける。



もう、傷つきたくない。

誰も傷つけたくない。



そんな一心から、誰もいない場所を求めて…


するとどこからかズシン、ズシンと何かが動くような音が聞こえてきた。


浮遊魔法を駆使して空高く舞い上がった私は、辺りを見回す。

そうして、目的のモノを捉えて目を凝らした。




あれは…岩山?いや、ドラゴン?


なんだかわからないけれど、大きなものが動いている。


とりあえず、見つかっていない今のうちに別の場所へ移動しよう。


そう思ったとき、見つけてしまった。


大きな岩山の向かっている先に愚々塔があるのを。





誰かが傷ついている。



“見たくない”という思いからその場を即座に離れようと、愚々塔に背を向けた時だった。




「貴様も抵抗軍(レジスタンス)の仲間かぁ!!」


「え?」


振り向けば、数十人にも及ぶ魔道士たちが私めがけて飛んできていた。

青い髪の青年→←父の覚悟-幼い記憶-



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設定タグ:マギ , ソロモン , アルマトラン   
作品ジャンル:アニメ
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ミヅキ(プロフ) - アリスさん» お返事遅くなってしまい、すみません!!(;><)ありがとうございます。頑張ります!! (2015年7月13日 23時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 頑張って更新してください!楽しみにしてます (2015年6月15日 23時) (レス) id: 263fd153e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - 彩星さん» 久しぶりー(≧∇≦) このところリアで色々ありすぎて、なかなか占ツク来れない(・_・、) (2015年4月3日 21時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - ムックさん» コメ返遅くなってごめんなさい(>_<) 本当ですか!?そう言って頂けて嬉しいです(*^^*) (2015年4月3日 21時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
彩星 - 久しぶり〜! (2015年3月28日 12時) (レス) id: 0e7062ca6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミヅキ | 作成日時:2014年8月1日 20時

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