Desire36 ページ36
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____『包容』?
拒絶だの包容だの、訳の分からない事を言ったリヴァイ。ただその言葉の意味を、一日中もんもんと考えていた。
飯を食いながら考え事をしていたせいで、俺は無意識にニンジンを口に運んでしまった。
ぱくっとニンジンを食べると何とも言えない味。そして脳が理解した。苦手なニンジンを食べたんだと。やばい。
「んんんんんんん!?」
そう口を押さえながら悶絶した俺。ガタンと席を立って部屋の隅にまで移動する。そんな俺を引いた目で見るリヴァイ。
「…何だA。珍しくニンジンを食ったと思えばそのザマか」
「ま、まずい…!!う、」
「おい。おい吐くんじゃねえぞ。吐くな!呑み込め!」
リヴァイが急いで俺に駆け寄って、片手で俺の両頬を掴んだ。そうして吐かないように上を向かされる。
ごくんと飲み込む。喉にまでニンジンの味が行き渡って吐きそうだ。
「よし…呑んだな」
自分の部屋を汚されずに済んだリヴァイは、かなり安堵した表情である。
何故俺がリヴァイの部屋に居るのかと言うと、一人だと…俺がまた暴れて怪我をするからと。
そしてもう一つ。
俺に話があると。
「で、話って何なんだよ」
「あともう一つニンジン残ってるだろうが。ちゃんと食えたら話してやる」
「無理無理」
ニンジンを拒絶して、俺が首を横にぶんぶん振ると、俺の桜色の頭をガッと掴んで首の動きを止める。そうして物凄い血相でリヴァイは言った。
「さっさと食え」
「分かったって…」
思い切ってニンジンを食べた後、口にパンを押し込んでニンジンの味を緩和させる。何とか呑み込めた。
「食べた」
「当たり前だ。褒めねぇぞ」
「別に、褒めろとか言ってないんだけど」
「顔が褒めろっつってんだ。お前は顔に出やすい」
リヴァイはある書類に目を通しながら、たまにちらちらと俺の方を見ていた。だから少し気になった。
「なあ、何見てるんだよ?」
俺がリヴァイに問いかけ、書類を覗き込もうとすると…今度は頬を摘まれ、それを阻止される。
「ガキに見る権利はねえ」
「リヴァイの方が小さい癖に…」
「何か言ったか」
「何も」と、俺はそっぽを向く。リヴァイが軽くため息を吐いたので、再度リヴァイの方に顔を向ければ…リヴァイは真剣な表情でその書類をじっと見続けていた。
「…A。これはハンジがやった、お前の実験結果だ」
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桜の花言葉
『高貴』『清純』『私を忘れないで』
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にゃるす。 - 真面目に泣きました…… 感動です!!こんな素晴らしい作品を作ってくださった作者様に感謝です!!ありがとうございます!!(人 •͈ᴗ•͈) (2022年6月9日 22時) (レス) @page50 id: fbac834549 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ぴりおどさん» 節子…それ涙です…(戯れ)ありがとうございます嬉しいです…!! (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴりおど - 目から汗が…凄く面白かったです! (2021年11月20日 21時) (レス) @page50 id: d35dddd041 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 僕さん» ありがとうございます....!!涙していただけてとても嬉しいです…! (2021年4月30日 17時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
僕 - 感動しました。涙が止まらないです! (2021年3月31日 9時) (レス) id: 9ca767eafd (このIDを非表示/違反報告)
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