Desire35 ページ35
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「A、本当にごめん」
そう俺に謝って来たのは、エレンだ。
エレンの話によると、巨人化した時にエレンは自我を保っていたが、抑えられない何かに襲われたと話した。
「あ…いや、俺は大丈夫。エレンは平気なのか?」
エレンが俺を見つめて、不安そうに頷いた。
そんなエレンの肩を、後ろからハンジが叩いた。
「うわ!?」
「エレン、もっとだ。もっと詳しく聞かせてくれないかな!?
どんな感じ?どんな感覚だった?」
興奮したハンジがエレンをがくがくと揺さぶった。もうエレンが酔うんじゃねーかって程に。
「おいよせクソメガネ。上からクソ吐かれても困るからな」
リヴァイが部屋の入口の扉に寄っかかって、不機嫌そうに腕を組んでいた。
「リヴァイ、上からクソは出ないよ?」
「あ?削ぐぞ」
相変わらず口が悪いな、と思った。
すると気持ち悪さから回復したエレンが、口を開いた。
「えっと、あの!なんか、Aを見た時に…俺、こう…その」
エレンは謎に両手をわきわきとさせ、何を言い表そうとしているか分からなかった。
いや、必死に伝えようとしてるのは俺にも伝わるんだけど…。
「何だその気色悪ぃ動きは」
「エレン!頑張ってくれ!頑張って説明をしてくれ!」
「頑張れエレン」
俺達3人で、エレンの記憶を鮮明に蘇らそうと応援する。1人を除いて。
「変な言い方をすれば、その!不安とか恐怖が…Aを見た
瞬間全部飛んで、早くこいつを自分の物にしないとって言う
使命感が…。もちろん今はそんな事無いですけど」
エレンは感じたことを、必死に単語として絞り出して伝えて来た。
あと一言余計。俺だって野郎には興味ないから!
「ふむふむ…なるほど」
ハンジがエレンの話を聞き、何やら紙に書き記した。
「あと!力が湧く様な感覚も少し…!」
「な、る、ほ、ど!!それは興味深い!」
ハンジがさらにガリガリと筆跡速度を早め、眼鏡を輝かせた。
リヴァイが歩き出し、俺の横で止まった。
「お前は『拒絶』のままで居りゃそれが良かったが…それももう無理がある」
エレンとハンジが大きな声で騒いで居ることをいい事に、
リヴァイは俺だけにこう伝えた。
「…お前の力は、『包容』 万物を受け入れる。受け入れろ、
お前も。お前を」
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桜の花言葉
『高貴』『清純』『私を忘れないで』
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にゃるす。 - 真面目に泣きました…… 感動です!!こんな素晴らしい作品を作ってくださった作者様に感謝です!!ありがとうございます!!(人 •͈ᴗ•͈) (2022年6月9日 22時) (レス) @page50 id: fbac834549 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ぴりおどさん» 節子…それ涙です…(戯れ)ありがとうございます嬉しいです…!! (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴりおど - 目から汗が…凄く面白かったです! (2021年11月20日 21時) (レス) @page50 id: d35dddd041 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 僕さん» ありがとうございます....!!涙していただけてとても嬉しいです…! (2021年4月30日 17時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
僕 - 感動しました。涙が止まらないです! (2021年3月31日 9時) (レス) id: 9ca767eafd (このIDを非表示/違反報告)
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