囚われ愛【白布賢二郎 / 北信介】 (ページ2)

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高校生の夏ページ2

Aside

ーーー高校一年、夏。

関東方面から引っ越してきた私は
あまりクラスに馴染めなかった。

でも、隣の家に住んでいる二つ年上の信君は
そんな私をいつも気にかけてくれた。

親も信君のことはよく知ってるし、今日みたいに
二人で信君の家で勉強をすることも多かった。

『(かっこいい…)』

夏休み

信君の汗ばんだ綺麗な髪が頬に張り付いている。
その横顔を、ぼーっと見つめた。

私は信君が好きだった。

北「俺な、大学は関東の方行こうと思ってん。」

突然のそんな言葉に、一瞬時が止まった。

信君と…もう会えなくなるの？

北「いずれはこっち帰ってくるつもりやけど、暫くAとは会えへんな…。」

『…やだ。』

北「え…。」

『嫌だよ…』

涙で視界が歪む。

北「そんな泣かへんでも、またすぐ帰って…」

『勝手に決めるなんて、酷い…！』

わんわん泣く私の頭を、信君が優しく撫でてくれた。

『好きだったのに…っ…』

北「！好きって、お前…。」

『ずっと…信君が好きなの！！』

感情の整理がつかなくて

気付くと私は、信君の胸にもたれかかって泣きじゃくっていた。

信君の手が遠慮がちに私の背中に回ってきて
胸が熱くなった。

北「……俺も、同じ気持ちやで。」

『え…』

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