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▼. ページ16






あの日、
無事に送り届けてもらってからというもの


私は何度も同じあの市場で彼と会っていた。




最初は偶然な所もあったけど
最近では私が彼に会うためにほぼ毎日通っている。




それはまるで、心の拠り所を探すかのように・・・





城には彼と同じような年頃の男性は沢山いる。

そんな人たちからよく話しかけられることはあったけど
大して興味も無く、彼らの名前は覚えていない



だけど
彼の事が知りたいと思った





『ねぇ、名前はなんて言うの?
私はA』



「・・・デイダラ」



『デイダラ…ありがとう』





そう伝えると、ふん、とそっぽを向く彼。



そんな彼を見ていると冷たく固まっていた心が
だんだんポカポカとしてきて

溶けていくみたい




「お前、その足で仕事できてんのか?…うん」



『あー…』





指さされたのは先日負傷してしまった足。
酷めの捻挫だったそうだ。


怪我を放ったらかしにして
更には酷使してしまっていたせいで

酷くなっていたらしくまだ治らない。





『…あ、もう帰らないと…門限過ぎちゃう』



「…大名か?」



『うん』






うつむき加減のまま曖昧に答える。

彼の視線が嫌でも突き刺さる…




彼には

大名から酷い仕打ちを受けてるとは言ってあるけど
体を求められていることは言っていない。



__言いたくなかった。




(なんでかな)



よく分からないけど。




「そんなのもう辞めちまえよ…うん」


『…辞められないの
辞めたら、地の果てまででも探し出すって言われてる』


「なんだ、それ…」





眉間にシワを寄せた彼。




大名に彼が目をつけられては彼が酷い目に遭う

それだけは避けないと…





『でも最近離れてきたから大丈夫!』



「大丈夫って…」



『ほらほら帰ろう!おぶりたまえ』



「おぶられる側のくせに
偉そうに言うなっつの…うん、」





そう言いつつも
渋々私を背負ってくれた彼は城へと歩みを進める



いつもより長く話せたな

それもあってか辺りは大分暗い…


外で男の人と会ってたことは黙っておかないと
いつもよりもっと酷い目に遭う






まさか大名直々にお出迎え…
なんてことはないだろうけど




彼の首に腕を回しギュッと抱きついて
この時間を噛み締めているときのこと。



_ ザッ




私たちとは別の砂利を踏む音が聞こえた。




「__A」



『……ッ!!』





城の門付近で仁王立ちしていたのは

大名だった__






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ハナ - 久しぶりのコメント失礼します。リクエストお願いできますか?ある事情で小さくなっちゃった夢主が暁の皆に可愛がられてるのを見ながら嫉妬するデイダラが見てみたいです!自分のペースで良いのでお願いします! (9月4日 18時) (レス) id: d5820d3e3c (このIDを非表示/違反報告)
ミルクコーヒー(プロフ) - ハナさん» レス遅れましたごめんなさいっっっ!!モグモグめっちゃ可愛いですwwww使わせて頂きます!!! (7月2日 20時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - コメント失礼します。デイダラと二人でかき氷をもぐもぐする話はいかがでしょうか? (6月25日 21時) (レス) id: d5820d3e3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2023年6月12日 23時

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