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四日目 ページ5











風呂場に設置されてある大きな猫足浴槽(バスタブ)に入り、暖かいお湯で体を清めていた私は右手で刃物(メス)を手にして目の前の壁にあるダーツボードに投げる仕草をして遊んで居る中、私はポツリとこんな事を口に出した。









「にしても、如何して唯医療用刃物(メス)銃弾をお返しする(・・・・・・・・)と云う作業が難しいのかしら…。まだ刃物なら簡単なのに。実際にするのと、操るのでは全く違うのね」









背後で私の髪を洗っている零の手が一瞬止まるも、また何事も無かったかの様に洗い乍答えた。









「それは私に対しての愚痴でしょうか。私を何事も完璧に出来ると設定(・・・・・・・・・・・・)しなかったのは御嬢様じゃ御座いませんか。ですから私を含め御嬢様の成長が遅れ、歳下の泉様に戦闘力を抜かされて仕舞われたのですよ。本来御嬢様御自身は御父様も認める程の力の持ち主です。…足でまといの私は御荷物なので、今からでも設定し直して頂きたいです。それが、御嬢様の為となります。」



「再設定何て私は嫌よ。それに、態と出来損ないにしたのは意味が有るの。私は零を異能力生命体としてじゃなくて、人として見てるの。動ける、喋れる、触れられる、ちゃんと零自身の自覚もある、なのに全てが完璧だ何てつまらないでしょ?」









零の言葉(本音)を聞いた私は手に持っていた医療用刃物(メス)をダーツボードのど真ん中に投げ刺して、顔を後ろに傾けて此方を見下げる私と同じ色の目をした零を見てちゃんと伝える。









「人間、最初から完璧な人何て居ないのよ。それに貴方は私が産まれた時から一緒に居るじゃない。私は零と共に成長したかったの。だから態と出来損ないとして設定したわ。それと、泉の話だけどあの子は才能で彼処迄辿り着いたのよ?親から授かった才能が無ければ、彼女自身は唯の一般人にしか過ぎないわ」



「…御嬢様が私を人として見て下さっている何て、初めて知りました。唯の道具としてでは無く、人として……有難う御座います、御嬢様。何故私と云う存在が生まれて来たのだろうかと、長年思い悩んでおりましたが…御嬢様の元に来れて本当に感謝しております。先程の御言葉で、少し…報われた気がします」



「…それは良かったわ。」









誰も完璧な人なんて居ない、私も…御父様(パッパ)も……









「あ、ちょっと待って零。目に泡が…」









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作者名:ゆうと | 作成日時:2019年6月25日 2時

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