【あんスタ】貴方の愛を求めます６【朔間零】 (ページ29)

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「でも、衣更先生は夢ノ咲の講師で……」

「もちろん存じ上げております！

ですが、プロデュース科の生徒は現在たった一人だけ。

それに、近頃はAさんはあんずさんをサポートする役目に回っており、相談されれば答える程度の指導しか行っていないとか？

正直、今の事務所と夢ノ咲の講師を兼任するのは、Aさんにとって負担だと思うんです。

本職は音楽プロデューサーなわけですし、そろそろ講師の務めも終えて良い頃かと思い、この話を持ちかけさせていただきました」

「それってつまり……Aちゃん先生が、夢ノ咲の講師をやめちゃうってこと？」

明星にそう話を振られ、Aは答えずに黙り込んでしまう。

それが肯定に感じ、皆は複雑な顔のまま同じように黙り込む。

『……と、とりあえず、この話は私の問題だから、みんなは１週間後のライブに集中して。

今日はもう旅館に戻ろっか。英智くんがご馳走用意してくれてるんだって。

お風呂もすごいんだよっ、露天風呂もあってね、貸し切りなんだって！』

重たい空気をどうにかしようと試みるも、Aが来る前も何かあったのか、いつもの元気さが一切感じられない。

そのまま『Trickstar』の面々は重苦しい空気のまま旅館に帰っていった。