【あんスタ】貴方の愛を求めます５【朔間零】 (ページ27)

今日:5 hit、昨日:78 hit、合計:36,498 hit

２２７ページ27

日和から解放され、Aは零が待っているという食堂へと今度こそ向かった。

食堂の中を遠目から見ると、誰かと話している弟を見つけた。

『真緒～！』

「姉貴？」

Aは疲れきった顔で真緒に駆け寄っていく。

「姉貴、仕事帰り？」

『そう～、もうお姉ちゃんクタクタ。

それなのに昔の知り合いに会って振り回されるし……

帰ったら泥のように寝るつもり』

「ふぅん、まぁお疲れ」

『……ていうか、さっき誰かと話してなかった？

見た感じアンタ一人しかいないんだけど……』

「姉貴。下見ろ、下」

そう言われ床を見れば、食堂の床に寝そべっている零がいた。

『……ばっちいよ、零ちゃん』

「ふむ、姉弟でここまで反応の差がでるとは。

さすがに我輩の行動を熟知しているだけあるのう。

これはもう結婚するしかないと思うんじゃが」

『暑さで頭がおかしくなってるかと思ったけど、思ったより平気そうで安心したよ』

Aはそう言うと零の腕を引っ張り上半身を起き上がらせる。

『重いなぁ。ほら、頑張って自分で立ってよ』

「我輩、Aにお世話されるのが好きなんじゃもん……♪」

『意味わかんないぃ～っ！』

零を必死で立たせようと零の脇に腕を通して力尽くで立たせようと踏ん張る姉を見て、真緒は普段の自分と幼なじみのことが脳裏を過ぎり重なって見えていた。