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「何事じゃい。ぎゃあぎゃあと、喧しいのう……ふあぁふ♪
安眠妨害じゃよ、まったく」
「うおっ、びっくりした！テメ〜、吸血鬼ヤロ〜！
どこへ行ってやがった、ていうかどっから話しかけてやがる？
声はするけど、姿が見えね〜ぞっ？」
ステージ上に確かに零の声が聞こえてくるが、本人の姿が見当らず大神たちはキョロキョロと零を探す。
そんな時、舞台裏にいるAに「上、上」と指を刺され見て見れば、船に見立てたステージ上の大きなスクリーンに零がデカデカと映りこんでいる。
「この海賊船を模した舞台は帆の部分がスクリーンになっておってのう、映像を表示できるのじゃよ……♪
我輩、日中はろくに活動できんからな。熱中症で倒れもしたし、無理せず映像で参加することになったのじゃ。
ほれテレビ番組とか、アイドルの舞台でもたまにあるじゃろそういうの。友情出演っていうのかのう。
おっつけ日が沈んでから、ちゃんとライブにも参加するから安心せい♪」
零の姿が見えて安心したのか、大神はほんの少し冷静さを取り戻す。
スクリーンに映っている零は、保健室のベッドに衣装のまま横たわりこちらに手を振っている。
「そうかよ……。つうか、テメ〜は何でそんな快適そうな環境で『のほほん』とバカンス気分を醸し出してやがんだよっ？
こっちは灼熱地獄みたいな炎天下で、汗みずくで働いてんのによう！良いご身分じゃね〜か、あぁん？」
「そう噛みつかんでおくれ、良い子じゃから。
本来なら、病欠で参加できん可能性もあったのじゃ……
Aとあんずの嬢ちゃんが気を使って、こうして顔見させてくれたのじゃよ？
恩義に、報いたい。『海賊フェス』を、見事成功させてやろうではないか……のう？」
零はそう呟くと、チラリとAの方を見て微笑んだ。
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年1月6日 13時
