【あんスタ】貴方の愛を求めます４【朔間零】 (ページ35)

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英智たちが話し終えるまで、Aはライブハウスの前で自販機で購入した珈琲を片手に待ちぼうけを食らっていた。

いつの間にか飲み干していた空っぽの缶を握りしめながら呆然と空を見上げていると、英智が一人ライブハウスから出てきた。

「お待たせ、寒くなかったかい？」

『今の季節知ってる？』

皮肉めいた言い方をして、空の缶コーヒーをゴミ箱に入れ歩き出すと、英智も一緒になって歩き出す。

『それで？一体なんの話をしてたの？

英智くんのことだし、どうせ良い話なんてものじゃないだろうけど』

「僕のやることなすことが悪だと言いたげだね」

『少なくとも、そういう目で見られてもおかしくないことをしている自覚ぐらいは持っていてほしかったけど』

Aの言葉にクスクスと笑みを浮かべる英智。

それを気に食わなさそうに睨むA。

「ふふ、ごめんごめん。僕だって自分を客観視ぐらいできるよ。

でも君も物好きだね。そんなに僕のことを毛嫌いしているなら、外で待つなんてせずに一人で先に学院に帰っていればよかったのに」

『いつ倒れるかわからない人を放っておけるわけないでしょ？

それに、君の使用人に私の顔見られてるんだから、君にもしものことがあったら私の責任にされかねない』

「抜け目ないね。そういうところも好きだったなぁ」

Aはそう言う英智の顔を不機嫌そうな表情で見ると、英智の歩く速度などを無視し一人でさっさと学院に帰っていった。