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準決勝1回戦の『Trickstar』VS『Ra*bits』ライブが始まった。


講堂で残りの準決勝と決勝が行われ、なおかつ放送委員の者達が音響などを担当してくれているおかげで、Aがやるべき仕事は、トラブル発生時の対応のみとなった。

投票は教師陣はできないようで、ライブが終わってからもAは投票結果の集計の確認をして、それを司会に言い渡す。







『どうぞ、結果です』

「どーも。えー、それじゃあ今のライブの勝者を発表しまーす」








気の抜けた緊張感のない声なのに、なぜかドキドキさせられてしまうのは、それほどまでに『Trickstar』に誰もが期待しているせいなのか。


そして、結果発表の末、準決勝を勝利し、決勝戦に駒を進めたのは、『Trickstar』だった。

響く歓声の中、次の準決勝のアイドルたちの準備が整うまで、幕が一旦下ろされる。


『Trickstar』が勝利し、安堵の息をついていると、『fine』のメンバーが準備を終えその場にやってきた。







『『fine』の皆さん、準備はできていますか?』


「あぁ。全員、いつでも舞台に立てるよ」

「フンッ!この裏切り者めっ」


『嫌われてるな〜』







そっぽを向く姫宮を見て困ったように微笑むA。

Aからしてみれば、意地悪をしすぎて懐かなくなった猫でも相手しているような気分だった。


そんな時、反対側のステージ脇を見れば、『UNDEAD』のメンバーも全員揃ったようで、こちらをジッと見ていた。







『……幕を開いてください』








インカム越しにそう伝えれば、ゆっくりと幕が開いていき、待ってましたと観客たちが歓声を上げ始めた。

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作者名:もぶピ | 作成日時:2022年9月14日 1時

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