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ガーデンテラスにある食堂のキッチンに行けば、人がいたのか灯りがついていた。
「転校生〜？ガーデンテラスにいる、って話だけど……
戻ってくんのが遅いから、様子を見に来たぞ〜？
何か手間取ってんなら、ちからを貸すよ。転校生とも、仲良くなっておきたいし♪」
「おっと、このガーデンテラスは、俺以外の男は立ち入り禁止だよ〜？」
突然、真緒の目の前に現れた金髪で長身の男に驚いてしまう。
「うおっ？あんたはたしか、『UNDEAD』の羽風先輩？」
羽風薫は、零と同じ『UNDEAD』に所属する３年生。
実力あるアイドルだが、素人の女の子とばかり遊んでいて、アイドル活動には非積極的。
やる気のない遊び人として評判だ。
「おいおい、そんなに見つめないでくれる？男に見られて喜ぶ趣味はないんだけど？
ていうか、今ちょっと取り込み中だから、出てってくれるかな、しっし！」
「んなこと言われてもな……。あの、このへんに転校生がいませんでした？
こないだ新設された、『プロデュース科』ってのに所属してる女の子なんですけど」
真緒がそう言うと、冷たい態度をとっていた羽風の様子が急変する。
「うんうん。そんなようなことを朔間さんから聞いたからさ、こうして会いにきたんだよね〜♪
いやぁ、かわいい女の子だよね！ちらっとしか見えなかったけど、俺の目は誤魔化せないよ〜？
あと、最近特別講師って人が来て、俺たちの一つ上の卒業生の綺麗な女の人なんだってね。
そっちにも会いに行きたいところなんだけど、なかなか見つからなくってさ〜」
真緒はその話を聞いて、心の中で「俺の姉なんですけどね」と呟いた。
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2022年9月5日 1時
