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翌日、Aは生徒会室にいる英智のもとを自ら訪れた。
『『Trickstar』を解散させるっていう件、私聞いてないんだけど?』
「あぁ、弟くんから聞いたのかい?
どう?彼ら、前向きに検討してくれているかな?」
英智の発言に苛立ちを覚えるが、そこをグッと堪え冷静に話しをするA。
『絆、友情、協調性が要の『Trickstar』を分断し、各個撃破する……。
やり方が昔と変わらないね。味でもしめちゃった?』
「言いがかりはよしてほしいな。僕は彼らの実力を見込み、それに見合った『ユニット』を推薦しただけだよ。
確かにあの子たちはバラバラになってしまうけど、それぞれが実力を発揮できず底辺で居続けるよりは良いはずだ。
実際、こうして申請書もすでに提出されていることだし、彼らもその気だってことなんじゃないかな?」
英智の手元には、『ユニット』の脱退申請書と、加入申請書が数枚置かれている。
「まだ提出していない子たちも、じきに提出に来るだろう。
それより、『DDD』の参加申請はどんな感じだい?」
『……お陰様で、「提出先は衣更講師まで」ってご丁寧に名指しされてたせいで、一日パソコンと向き合ってデータ入力をするハメになりましたけど?』
「それはよかった♪参加者が多いほど盛り上がるだろうしね」
他人事のように微笑む英智にビンタでも食らわしたかったが、その衝動を抑え深呼吸をして心を落ち着かせた。
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作者名:もぶピ | 作成日時:2022年9月5日 1時