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Aが夢ノ咲学院で特別講師として働き始めてから、早くも1週間が経った。


あれから、Aはあんずにプロデューサーとは何か、から教え、どういったことをするのかなどの話をした。

本職の仕事があって週に2,3日しか学院で顔を合せることができない中、『Trickstar』の革命を成し遂げるため、あんずもAの話を聞いて真面目に学んでいた。



一方、『Trickstar』のメンバーは、零から言い渡された個人練習を耐え抜き、今日からは『ユニット』練習という工程に入る。

『S1』を控えた折り返し地点のその日は、もちろんAも学院に来ていた。







『零ちゃんの指示でスバルくんと一緒に行動してきて、もう1週間だね。

学院にも慣れた頃だろうし、楽しくやってる?』

「まぁ……みんながいてくれるので、寂しさとかは感じません」

『そっかぁ〜。……そういえば、うちの弟にはもう会った?』

「弟……?そういえば、明星くんたちと同じ、『Trickstar』なんですよね?」







あんずの反応を見るに、まだ会ったことすらない様子だった。








『あの子もあの子で、自分が所属する『Trickstar』と、その敵である生徒会との間で板挟み状態になってて大変みたい。

苦労性なところは姉弟揃ってそっくりって感じ』








あんずは「あはは…」と苦笑いを浮かべる。









『……でも、あの子は私と違って、まだ救いがあるだけマシよね。

身近にある大事なものを棄て置いて傍観するしかなかっただけの、あの頃の私とは違うわ……』

「?」







不思議そうな顔をしているあんずを見て、Aは微笑む。








『ふふ、いずれこの学院の過去も話してあげなくちゃね。

知って置いたほうがいいことも、知らないほうがいいことも、この学院には多すぎるもの』








Aはそう言ってあんずの頭にポンと手を乗せ微笑んだ。

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作者名:もぶピ | 作成日時:2022年9月5日 1時

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