【あんスタ】貴方の愛を求めます【朔間零】 (ページ7)

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翌日の昼休憩。

今日は生徒会室ではなく、立ち入りの推奨されていない屋上へ来ていた。

屋上への扉を開くと、日陰で零が仰向けで寝転がっているのを見つけた。

『ここ、あと数時間後には日が照り始めるよ』

「いいんだよ。ここならクソ真面目な坊主も立ち入ってこねぇだろうしな」

Aが零の頭側に腰をかけると、零は目を開けAの方を見た。

『なに？』

「いーや……明日からまた海外だから、今のうちに目に焼き付けておこうと思って」

『そっか。次はいつまで？』

「さぁな……寂しいか？」

『別にー。零ちゃんがいないことなんてしょっちゅうだし』

「そこはもっと寂しがるところだろ！」

バッと起き上がって拗ねる零を見て意地悪く笑みを浮かべるA。

『寂しいのは零ちゃんの方でしょ？

私には弟もりっちゃんもいるし、学校でも意外と仲良くしてる子多いんだから』

「そりゃ俺以外の男の話か？

誰だ？つむぎか？それとも坊主か？」

『なにムキになってんのよ。

ほら、さっさとお弁当食べちゃってよ』

Aはそう言うと、零の口に卵焼きを突っ込んだ。

もごもご言いながら食べる姿は、生徒会長としての威厳など全く感じられない。

『美味しい？』

「Aの飯が不味かった時なんか一度もねぇよ」

『うっそだー』

冗談っぽく言って見せたが、表情を見るに喜んでいるのは見てわかった。

「くっ……ハハハッ、お前はいつまでもそのままでいてくれよな」

『何のこと？』

「こっちの話だ。

ふわぁ～……食ったら眠くなってきたな。

昼休みが終わったら起こしてくれるか？」

『はいはい。おやすみなさい、魔王様』

流れるようにAの空いた膝を枕に仰向けで眠る零。

零の寝顔から空に視線を移すと、魔王様のためにと空が曇り始め涼しげな風が吹く。

しかし、ずっと続くはずだったこの穏やかな時間は、いとも容易く失われてしまうことになる。