拾い癖のあるニキくん【あんスタ】 (ページ31)

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「う～ん、警戒されちゃってるなぁ……。

最初の印象が悪かったかな？

えっと、Aちゃんだったかな？プロデューサーの卵である君のこれからを存分に期待しているよ。

よろしくね」

握手を求められ、Aは少し戸惑ったがその手を握り返した。

「さて、もうじきライブが始まるようだから、君たちもさっさと関係者席に行って待機しておきなさい。

『Trickstar』のライブでは、何が起こるかわからないからね。一秒だって目を離してはいけないよ」

そう言われAたちは席につこうと天祥院から離れていった。

『(あ～怖かった……。あの人が『皇帝』＿＿天祥院英智さん。

あの人だけには、目をつけられたくないなぁ……)』

そんなことを考えながら歩いていると、突然一彩がAの腰を抱き寄せてきた。

一彩の香りがふわっと鼻をくすぐる。

『えっ？ど、どうかしましたか一彩さん？』

「ウム。何だか周囲の人が急にざわつき始めたから。

安心してほしいよ、A。僕は、何があっても友を守る」

『と、友ですか……。それより、そろそろ離していただると……』

顔をほんのり赤くさせているAがそう言うと、一彩はAから手を離した。

「ふむ。君は華奢だな。もっと栄養をつけるべきだと思うよ？」

『へ？』

その瞬間、藍良が一彩の頭をスパァン！と勢いよく叩いた。

「い、痛いよ藍良！？」

「ヒロくんのスケベ！変態紳士！女の子相手にさっきから何やってんのさ！？」

藍良は一部始終を見ていたのか、顔を赤くして怒鳴っていた。

『い、いいの白鳥さんっ。私は気にしてませんから』

そう言うAの頬はまだ赤く色づいていた。