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「お待たせしたっす〜!えぇっと、ハンバーグセットご注文のお客様は?」
「……おっと、料理がきた。ふふ、こういうちゃんとしたお店で食べるのは初めてだからワクワクするよ」
一彩はそわそわと落ち着きがない様子でそう言う。
「わざわざ運んでくれてありがとう。ハンバーグは僕だよ。
サラダはこちらの、巽に」
「呼び捨て!?ちょっとヒロくん、年上の相手は『さん』なり『先輩』なりつけるのが礼儀だよォ?」
「フム。そういうものか。教えてくれて有難う藍良。
礼を失して申し訳ない、巽……先輩」
「いえいえ。ふふ、俺は呼び捨てでも構わなかったのですけど」
風早は聖母のごとく優しげな笑みを浮かべながらそう言う。
「はぁい、サラダはこちらのお客さんっすね!
んで、こっちのチョコレートパフェは、Aちゃんのっすよね。はいどーぞ!」
『ありがとうニキさん』
ニキは迷うことなくチョコレートパフェをAの目の前に置いた。
「あれ?知り合いかい、A?」
『はい。私の兄のような人で、よくしてもらってるんです』
「いやいや!こちらこそAちゃんには助けられっぱなしっすから!
あ、注文、以上でお揃いでしょうか?どうぞごゆっくり〜♪」
そう言ってニキはプレートを持って厨房へと戻ろうとする。
「あ、あれ?ちょっと待って、おれの分のチョコパフェは?
おれもAさんと同じやつ頼んだんだけど……」
そう言って藍良がニキを引き留めた。
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作者名:もぶピ | 作成日時:2021年12月13日 21時