拾い癖のあるニキくん【あんスタ】 (ページ12)

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「わぁ～Aさんのお弁当、すっごく美味しそうだねぇ。

自分で作ってるの？」

『いえ。私は料理はできないので……』

Aが苦笑いを浮かべながら応えた。

「じゃあ作ってもらってるんだ。

いいな～。おれも誰かに作ってもらった愛情たっぷりのお弁当が食べたいよぉ」

そう言う藍良の手には、購買で買ったらしきパンが一つ。

『……お昼、それだけですか？』

「え？うん、まぁ……。

体型維持とかに気を使ってるから、お昼は少なめにしてるんだ」

『それだけで午後生きれます？』

「え？生き……？」

Aはこの１年でニキと暮らしすぎたせいか、Aの中で男性の胃袋の基準がニキと同じになっているのだ。

『あのこれ。お腹が空いたら食べてください』

そう言ってAはポケットからチョコレートを取りだした。

「え！いいの？ありがとう！おれ、チョコ大好きなんだ～

こんな細かいところにまで気を配れて、さすがプロデュース科の人だねぇ」

藍良はそう言ってチョコレートをポケットの中にしまった。

『……私はそろそろ教室に戻ります。

それじゃあ、また』

「うん！またね～」

手を振る藍良に軽く会釈をしてからAは屋上を後にした。