暗闇の中で (ページ24)

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15話ページ24

初陣も間近というところで、私は蒙武と楚子に行くことにした。

「ぶー！。ぶー！。ぶー！」

いつも３人で勉強したり、遊んだりしている場所にたどり着き、蒙武と、楚子を探す。

「ぶーぶーうるせー💢」

と突然横から木製バットみたいなのが降ってきた

パッと後ろに下がってそれを避ける

「武！何も攻撃する必要はないでしょう」

私が頬を膨らませながら抗議すると、楚子が蒙武のあとから出てきた

「在瑠、今日はどうしたんだ？初陣が近いんだろう？」

楚子が、訝しげな顔を向ける

「うん、そこで武と楚子に戦について聞きに来たんだ！」

ビシッと二人を指さして言う在瑠に楚子はフッと笑った

「「怖いのか？」」

二人の声がはもる。一人は心配したような、もう一人は茶化したような言い方だ。

「誰が！怖くないよ！
ただ、二人の経験から助言をもらおうと思って…」

ゴニョゴニョと最後の方は自信なさ気に言う在瑠に、蒙武と楚子はまた笑いが込み上げてくる。

笑われた当人は機嫌を損ね不貞腐れた表情をしている

「助言…だったな。大した助言にならないかも知れないが、全体の動きを見、自身に課せられたことをしっかりやり遂げることだ。」

いきなり難しいことを言われた気がするが、話を聞けただけ良しとしよう。

楚子の頭の良さを再確認した瞬間だった。

対して蒙武はと言うと…

「とにかく、敵をぶちのめせ！」

これも蒙武らしい。でも助言としては役に立たないだろう。

どちらのほうが性に合っているのかはこの戦で見極めるとしよう

「ところで、在瑠はどの地位から始めるんだ？」

「一兵卒だよ」

「王騎軍でも無いのか？」

「うん。父上が総大将だけど、私は招集された人達と一緒に戦うんだよ」

そう言うと二人は驚いた顔をした。

「普通そういうものなんじゃないの？」

不思議に思って在瑠は二人に尋ねた

「後ろ盾のないそれこそ農民兵ならそうだが、王騎将軍の娘となればまた別だ。」

「士族の中の士族だぞ、普通は百人将くらいから始めるぞ。士族のやつはみんな。」

楚子と蒙武が説明してくれた。つまり、私はいきなり百人将になる事もできたということだ。

「厳しいな、王騎将軍は…おそらく、経験を積めということだろうが、王騎軍の方でもないとは…」

と楚子は呟く

「準備もあるだろう、今日はもう帰ってたっぷり安め」

「在瑠、武功楽しみにしてんぞ」

うんと私は頷いて

「任しとけって」

そう言ってその場をあとにした