暗闇の中で (ページ23)

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14話ページ23

あれから3年がたった

この３年間はあっという間で、夏は騰と蝉取り、冬は、録嗚未と雪合戦の日々を送った(鍛錬も欠かさずしました)

それは全て今日、この日のためだ

前よりも刀身が伸びた剣を胸の前で構える

これが私の、初陣だ

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父上から初陣の話を聞いた時、高揚する気持ちと不安がせめぎ合った

王騎軍の練習用のの剣をこれでもかと折りまくり、今では木刀を使っていた。

流石に初陣なのに剣が無いのはまずい、と思い通りすがった騰に相談してみた

「騰、何でも良いから剣、無い？」

「剣か。…時が来れば在瑠に見てもらおうと思っていたのだが、在瑠の村のものを此方なに持ってきている。」

「私の村…」

「確か、その中に剣があった筈だ。刃毀れが激しかったが、鍛え直せばいい剣に成るだろう。」

新緑の草が揺れた。優しいそよ風が在瑠を包む。

私は、王騎軍に来てからあまり過去について考える時間もなかった。今度こそ誰も失わないように、大切な人を全部守れるように、そう考えて生きてきた。

守麗のこと、母のこと、私は全部抱えて生きていくと決たのだから、こんなところで立ち止まる必要は無い。

過去のすべてを受け入れよう。

「決心はついたか？」
私が顔を上げ騰の方を見ると、そう聞かれた

私は無言で、でも力強く頷いた。

「では、行くとするか」

剣はすぐに見つかった。

「その剣はお前のか？」

在瑠がじっと動かずに剣を見つめていた。

しばらく返事がなく、在瑠を此処に連れてくるのはまだ早かったかと少し後悔していると、在瑠がか細い声で答えた。

「うん、私の剣。剣の師だった人にもらったんだ。」

騰が在瑠のその小さな背中を心配してみていると、突然在瑠がこちらを振り返った

「ありがとう騰、とっても大切なものだったから。見つけてくれて、私を連れてきてくれてありがとう。」

在瑠は正に満面の笑みで、騰に感謝を伝えた。

そんな在瑠の頭をワシャワシャと撫でて「気にするな」と言った。

それからあの剣を鍛冶師のところへ持って行き、少し刀身を伸ばして鍛え直してもらった。

出来た剣は前よりも手に馴染み、使いやすくなっていた。

私は、これからもこの剣と一緒に歩んでいこうと心に決めた