暗闇の中で (ページ15)

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「はあーーーーー‪💢」
録嗚未の怒号がこだまする。

私はそんなに大きい声を出されるとは思っていなかっためビクッと体が強ばった。

「なんでそうなるんだよ！」
録嗚未がグッと前のめりになって問いただす。

「だって､､録嗚未が慕っているって言ったから。愛してるってことかなぁって」

「そっちの意味じゃねえよ！普通に考えて尊敬しているっていう意味の方だろ。」
録嗚未が呆れたように言う。

「あっ、そっか。……てっきり録嗚未は男色家なのかと。」
私が呑気にそんなことを言うと録嗚未がため息をついた。

「お前、そんな言葉どこで覚えてきたんだよ。」

「なんか趙国の太子がそうらしくて、その情報を教えてくれた人に聴いた。意味はよくわかんないけど…」
私は正直に答える。

「そんなの覚えてなくていい。
ほら、知らなくていいことってあるだろ。在瑠にはまだ早いって。」
録嗚未は私に完全に意味を理解して欲しく無いようだ。

「録嗚未って面倒見いいよね。」
在瑠はそんな録嗚未の様子を見て呟いた。

「そうか？まっ軍長になって長いしな。」
録嗚未はドヤ顔でそう言う。

「軍っていいよね。みんな家族みたい。」
私は少し寂しく感じながらそう言った。

「ああ、みたいじゃなくて家族だ。

在瑠もな」
しゃがんで私の目を見て録嗚未は言った。

「うん、ありがとう。」
私は、ほんとに面倒見がいいなと思いながら頷いた。

「軍によって形式も雰囲気も様々だから、在瑠が王騎軍で居心地がいいって思ってくれるなら、俺らはいつまでも一緒にいてやるからな。」
優しい声色でまるで子供をあやす様に言われる。

「約束だよ。死なないでね。」
もう大切な人が沢山できてしまった。大切な人なんて居なければ辛い思いをしないことなんて分かっているのに。

「おう、任しとけ。」
録嗚未は心強い返事をくれた。

「在瑠、録嗚未と手合わせをしたと聞いたが……
録嗚未は死んだのか…」
騰が手合わせの話しを聞きつけてやって来たようだ。

「おい💢」
死んでねえよ！と録嗚未と声を荒らげる。

「在瑠、録嗚未のことは残念だった。死体はどうする？」
騰は相変わらず真顔だ。

「ええっと、父上に見つからないように埋めよう。」
私も騰に合わせて言う。

うんと私と騰は目を合わせて頷く。

「てめぇら💢いい加減にしろ！」

「ハッ、今録嗚未の声が聞こえた気が！」

「ここに居るだろうが！こっち向け！」

そんなやり取りを見て私はふふふと笑った。