sweet soul 3/S ページ37
「ひっ!!
いっ!あぁぁぁぁっっ!!!!!」
まどろんでいた自分に、相葉君の絶叫がこだました。
あまりの壮絶さに、考えるより早く体を起こしてぼやけた頭で相葉君の姿を探す。
まだ醒めきっていないぼやけた頭だというこだけでも状況を理解する上で大きなハンデだというのに・・・
目覚めた自分に、頭の中を抉られるような強烈な超振動が響く。
「な・・んだよ!!コレ!!!!」
吐き捨てるように呟いたおれは、吐き気と頭痛でおかしくなりそうだった。
そんな自分が視界に捉えたのは、手足を拘束されて小さな台の上に貼りつけられた相葉君の姿。
体じゅうに赤や黄色の線が取りつけられていて、おれが抉られるような感覚を頭に覚える度に、細い体を弓のようにしならせる。
相葉君の額には汗が噴き出ていて、口元からはだらしなく銀の糸が零れていた。
「なんで?なんでだよ!!」
思わず駆け寄って相葉君の手首を拘束している金属に、自分の手をかけて引きちぎろうとしてもどうすることもできない。
「相葉君!!
しっかりして!!
相葉君たら!!!」
「ひゃ・・あぁぁっ!!!!!」
呼び掛けても返事はなくて、聞いたこともないような甲高い声を上げ相葉君は身をよじって苦しがる。
「翔ちゃ・・ん、翔ちゃん・・」
涙でもうくしゃくしゃになった顔で、ぼんやりと焦点の合わない視線を這わせ、相葉君はおれを呼び続ける。
呪文のようにおれを呼ぶその人は
全然こっちを見てなくて・・・
苦痛を与えられてぼんやりとした意識の中で
それでもおれを案じている相葉君の姿に、涙が溢れて止まらなかった。
馬鹿だよ・・・・
本当に大馬鹿だ・・・。
お前、どんだけ人がいいんだよ
そんなんなってまで、おれのこと心配してる場合じゃないだろ?
おれは相葉君の体に貼りつけられた機械の線をひっぺがそうと、直接それに触れた。
とたんに体を弾き飛ばされそうな重低音が頭を支配した。
今迄に感じたことのない強烈な頭痛と体を引き裂く様な感覚。
おれは思わず手を離し、苦しむ相葉君を見つめた。
・・なんだ?今の・・・。
こんなのを相葉君は直接体に流されてるの?
絶望的な感覚が体を襲い、涙は涸れることなく自分の頬を伝っていく。
「翔ちゃん・・・・。」
苦しげな声で相葉君はそんなおれの名を呼んだ・・・。
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作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/
作成日時:2012年3月26日 22時