sweet soul 2/K ページ36
「ボクねぇ、現実に救世主になるのって、彼ら嵐ぐらいの世代じゃないかなって思うんだよね。」
「はっ??」
「・・・麗子ちゃん、そんな嫌そうな顔しないの!
・・彼らの世代って、普通に会社入ってたらもう後輩も何人かいて育ててる世代だろ?
仕事もそつなくこなして、上司が何を求め、会社が何を求めてるか自覚できてるし、的確な状況判断も下せる。
脂がのってる時期だよ、特に大野君や櫻井君なんかはね。」
「そういう判断力とある程度自分の状況を冷静に見渡すことができる大人が世の中を救うと・・・そう言いたいんですか?」
「アタリ♪
麗子ちゃんは10言わなくても色々察してくれるから大好き♪」
私は一つ大きな溜息と共に、彼に問いかけた。
「それはいいとして・・・、どうして櫻井を覚醒させる為ここに連れてきたのに、ベータ波動の照射を受けるのは相葉なのでしょう?
・・・意味がわかりません。」
そう言った私に、小城はぞっとするほど冷たい視線を向けた。
「彼らの能力を開花させるためには、一つの法則性がある。
“仲間が苦しむ姿を見せる”と言うことだ。
大野君は二宮君を救うために、完全覚醒した。
二宮君は殴られ続けた大野君を救うために能力を開花させた。
・・・それに後の3人の様子も報告受けただろ?」
「・・・・・・・・・・。」
「相葉君が能力を内調の連中に見せたのは、櫻井君が麻酔銃で撃たれた直後らしいし、松本君は櫻井君と相葉君の捕獲について話していた直後に力を使ったみたいだろ?」
冷酷な微笑みを浮かべ、小城は私に言う。
「麗子ちゃん、今から相葉を徹底的に追い詰めろ。
手加減なしだ。
壊すつもりで彼を追い詰めるんだ。」
ぞっとする程の
冷めた視線・・・・。
彼にとってもう目の前の2人は人間じゃなくて
ただの実験用モルモット。
それほど冷たくなれる小城を
私は信用できないし
心から怖い男だと思う。
そんな私の心などお構いなしに彼は笑う。
「さぁ、ショータイムの始まりだ。」
彼は踊るように指を滑らせ、各計器のスイッチを入れる。
「ひっ!!
いっ!あぁぁぁぁっっ!!!!!」
相葉の、耳を引き裂くような壮絶な悲鳴が、この空間に響き渡った。
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作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/
作成日時:2012年3月26日 22時