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「お前ら今日どうすんの?泊まってくの?」
夕飯を食い終わってのんびりリビングでテレビを見ながら寛いでると、えおえおからいつもの質問が飛んできた。
時間は夜の10時。
今から電車に乗って家に帰るには、なかなか億劫な時間だ。
そうなると、俺達の答えは1つしかない。
「「「泊まりで」」」
奴も俺達の返事は分かってたのか、文句も言わず客間に布団を敷きに行ってくれた。
サンキュー、なんて言いながら、誰一人手伝いに行かないのも、いつもの事だ。
「みんなまだお家にいるの?」
「いるよ〜。Aちゃん嬉しい?」
「うん、うれしい」
笑うきっくんに、とろーんと蕩けた笑顔を返すA。
今日は大人しくソファに座って絵本を読んでいる。
ふにふにと、どこかふわついた口調で喋るAの目が、眠たそうに綻んでいる。
「A、眠いなら寝るか?」
「まだねむたくないよ!」
ぶんぶん、と首を振って、急いで絵本に視線を戻すA。
俺達が泊まる時、普段は早く寝るAが、眠いのを我慢して遅い時間まで起きている。
一緒に居られるのが嬉しいのだと、態度が示してくれている。
そういう健気な所は、凄く可愛いと思う。
*
「……A」
「……んぅ」
それから30分。
ダラダラ喋ってた俺の後ろで、ばさりと物音。
振り返れば、Aが読んでいた絵本が、Aの手が滑り落ちていた。
俯いて、こっくりこっくり舟をこぐAの身体が、斜めに傾いでいる。
どうやら、眠気の限界のようだ。
「A、ベッド行って寝ようか」
「……やだぁ」
顔にかかる髪を払いながら、えおえおが優しい声で問いかけるのを、Aは首を振って拒否した。
眉間に皺を寄せながら目を閉じて愚図るAは、イヤイヤしながらぬるりとソファからカーペットに移動した。
そのまま四つん這いの姿で俺のところまで来ると、のそのそと俺の膝に乗ってきた。
ん〜、ん〜、と唸りながら、安定する体勢を探すように身体を動かしていたAは、俺の胸に顔を埋めて、のび太よろしくおやすみ3秒で、夢の世界へと旅立って行った。
「……は?」
「あーっ!あろま狡い!」
「狡くないです〜!」
天使の寝顔を浮かべているAが寝やすいように、少し身体を動かしながら、愛しい重みを堪能した。
Aが俺に甘えて寝る姿を見たえおえおの顔が怖かったのは、内緒の話だ。
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ねい(プロフ) - 金平糖さん» 長々と続いていましたが、無事完結することが出来ました。沢山4人との絡みを書けて私も非常に楽しく書くことが出来ました。少しでも楽しんで頂けていれば幸いです。最後までお付き合い下さいましてありがとうございました(´∀`) (2019年8月26日 12時) (レス) id: 01e0d6e0af (このIDを非表示/違反報告)
金平糖(プロフ) - 完結おめでとうございます!前作にも言ったと思いますが、夢主ちゃんと4人の絡みがとても微笑ましくて、頬がゆるゆるです。とても素敵な作品でした!こんな素敵な作品を作ってくださり、ありがとうございます!! (2019年8月24日 23時) (レス) id: df27c0b327 (このIDを非表示/違反報告)
(*´ー`*) - 続き楽しみですε=ヽ( *´▽`)ノ! (2019年1月6日 13時) (レス) id: 249673e94e (このIDを非表示/違反報告)
ねい(プロフ) - (*´ー`*)さん» ありがとうございます!不定期ですがちまちまやっていけたらと思っております! (2018年11月7日 12時) (レス) id: 01e0d6e0af (このIDを非表示/違反報告)
(*´ー`*) - うわ!!やったー!!番外編嬉しいです!!これからも楽しみにしています!! (2018年11月5日 20時) (レス) id: 249673e94e (このIDを非表示/違反報告)
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