雷は嫌い【8月19日】 ページ22
ゴロゴロゴロ…ドーン！！
朝、目が覚めてすぐに近くで雷が落ちた。
さすがのAでもその音には気づいたようで目を見開いてこっちを凝視していた。
「すっごい音…」
「あめ…？」
まだ頭が働いていないAさんはまた瞼が重くなってる様子。
そのまま眠りの世界に入っていくのを見届けようと思った矢先、またドーンと地響きのような揺れと共に大きな音が襲った。
「っ？！」
「うわ、でかぁ…」
「おへそ…」
寝ぼけてるAはオヘソを隠さないとと思ったらしい。可愛いな。
「大丈夫？」
うるうるしてきた瞳を見て少し心配になって聞いてみると、小さく何度も横に首を振って涙をこぼした。
「ありゃりゃ…泣いちゃった」
とりあえず起きて、と抱き上げて慰める。
「じごどやら」
「仕事？」
「ん〜」
「流石に危ないから送るわ。」
「え…」
「絶対このままやったら途中で立ち止まって家帰ってくるもん」
前に一回そういう事あったんだよな…
雷雨の日に仕事行かせたら途中で雷なって号泣して帰ってきたこと。
「ほら、もう雷鳴ってないから準備してき？」
いつもより少し早めの時間。
準備が終わった彼女を車に乗せて一緒に仕事場へ向かった。
「てか、なんで雷嫌いなん？」
一瞬彼女の方を見るとピクッと険しい顔をした。
「なんか…目の前で木が折れたんだよね小さい頃」
「雷で？」
「そうそう。やから…それが怖くていつか自分にも落ちるんかなって思うと音も聞きたくない」
儚げなA。
そう語る彼女を以前より、もっともっと守りたくなった。
「まぁ、そんなときは俺が守るから」
なんてくさいセリフを言うと、彼女はフフッと笑って安心した〜と言った。
ずっと変わらない可愛い笑顔。
「ついた〜」
「元気出た、行ってくるね」
「傘忘れてる！」
「あー！ごめんごめん！！」
「あともう一つ」
不思議そうな顔をする彼女を手で呼び寄せる。
素直に車に戻ってきた彼女の唇に優しくキスを落とした。
「いってらっしゃい。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 298人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美麗@ラ - 完結おめでとうございます、そして1ヵ月お疲れ様でした！れおなさんの書く志麻くんがドタイプすぎて…笑最高でした！れおなさんの作品他も色々読んでます、大好きです！ (2021年9月5日 13時) (
レス) id: 898ecf2a8e (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - 1ヵ月間ほんとうにお疲れ様でした！夏休みの楽しみが増えて、とても嬉しかったです！最高でした…！！評価は何十回も押してますよ！どうして1回しか押せないんでしょうね！！そろそろ運営に殴り込みにいこうかなとおもってます！！ (2021年8月31日 23時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
暁の天(癒樂)@SOS同盟(プロフ) - １ヶ月間お疲れ様でした！凄くあっという間にこの日を迎えてしまったなぁ、と少し寂しく思います… 本当に毎日お疲れ様でした！ありがとうございました！！ (2021年8月31日 18時) (レス) id: bfed5c7004 (このIDを非表示/違反報告)
aoino(プロフ) - 1ヶ月間お疲れ様でした！毎日この小説の更新が楽しみで通知があるとワクワクしていました！ありがとうございました！ (2021年8月31日 17時) (レス) id: f3a5a28b66 (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 一ヶ月更新お疲れさまでした！毎回すごく楽しかったです、、、ありがとうございました！ (2021年8月31日 13時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
